厄介ファンだと思ってた！【三途春千夜】

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「んで、てめぇはなんであんな所で死にかけてたんだよ」


くだらねぇ理由なら1発殴る。と、ヒステリックなことを言ってくる



『……森田さん失踪したって聞いて、あんたがやったんじゃないかと思って、』

「あ？誰だそいつ」

『ほら、この前ホテルのとこにいた、俳優の』




名前知らなかったのかよ

伸びをしてるそいつの口から「あー」と、理解したような反応が返ってくる



「"殺しては"いない」


……何その含みだらけな言い方




『……会ったんだ？』

「……」

『なにしたの？』

「……」




理不尽に無視を決め込んでくるので聞き出すのは諦めた

まぁ、何したかなんて想像つくし、正直どうでもいい




『なんでわざわざそんなこと…』

「……別に。気に入らねーからやっただけ。みょんたんみたいに努力してる奴が地上波に出れなくて、あんなゴミ屑野郎がドヤ顔で仕事してるなんて許せねぇ」





抱き枕がぎゅっと押し潰された

プリントされてる私の顔が歪む





『あんたってさぁ……ほんと限界オタクだよね』



そこまでするファンっている？



「お前に関係ないだろ」

『なんか恩人みたいで気持ち悪い』

「あ？だからてめぇの為にやったわけじゃねえって言ってんの」




分かってる

私のためにやったなんて言われたら、信用出来なくなるところだったし
いやまぁ、信用してるわけじゃないけど

近くに置いてあったミニバックを手に取った





「んだこれ。納入金ならこの前受け取った」

『これはあんたに』



中の８割を占領していた札束を取り出す

急いでおろしてきたから裸だし、濡れているか心配だったけど、大丈夫そうだった



『本当はこれで森田さんから助けて貰った借りをチャラにしようと思ってきたのに、また借り作っちゃったね』

「こんなもんいらねー」



差し出した右手をスっと押し返された


『……受け取ってくれなきゃ困る。汗水垂らして稼いだお金だよ』

「汗水潮の間違いじゃねぇか？」

『最低』




職業言ってないせいで私デリヘル嬢みたいな扱いになってるんだが……！？

まぁお金のために枕してるという点ではあながち間違いでは無いけどね？！




「ごちゃごちゃうっせぇ。金なら腐るほど持ってる。それよりもまず助けてやったんだからそれ相応の態度ってもんがあるだろ」


うっぜぇぇええ！こいつ絶対モテないわ！



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