厄介ファンだと思ってた！【三途春千夜】

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「それで雪の中待つ奴がどこにいんだよ」

『だって連絡先とか知らないし……へくしゅっ！』

「はぁ………」




えー、何その呆れ顔


言っとくけど私の方があんたに呆れてんだからね！！






『てか………私の事ここまで運んでくれたの』



ふかふかのベットの横には私の等身がプリントされた抱き枕が

さっきドッペルゲンガーと勘違いしたのはこいつか



「ほっといて死体になられても困るんだよこっちは。凍って半分死体みたいなもんだったけどな」



確かに湿ったところに座ってた上に雪まで降ってたもんな……服は案の定びしょびしょなはず………


自分の体にそっと触れてみるけど、柔らかい着心地のスウェットを身にまとっていて、暖かかった

あ〜楽チン楽チン♪なんて思ってる場合じゃなくて


『まって………もしかして、見た？』


黒のフレアブラウスに白のタイトスカート、アクセサリーまで、

さっきまで身に付けていたものは、何も無い

何となく寝てる間に何が行われていたのか想像がついて、背筋が凍った



「あ？寝てる奴の服脱がすんだからそりゃ見るだろ」

『変態！！！！』


もはや開き直ってるそいつに向かって思いきしみょんたん抱き枕を投げつける

ヒットしたのか否か目で追う間もなく頭を抱えた

最悪だぁ………


まさか下着まで脱がせてないだろうな

服の中を覗くけど、愛用ブラジャーをきちんと付けていたので少しだけ安心した



「凍死体が誰かに見られたりしたらこっちが迷惑なんだよ」


しかもそれ保存用の新品だし

って、投げつけたはずの抱き枕かかえながらボソボソ言ってくる
服のプリントは私のオリジナルキャラクターだった


これもグッズかよ

そんな大事なもの、わたしが着ちゃっていいのかよ


そう言おうとして顔を上げるけど、長いまつ毛は下に向いていて、目が今にも閉じそうなそいつの顔を目撃してしまって黙った


『……………眠いの？』



私の言葉がアラームかのようにハッと大きな目を見開く
首をぶんぶん振ると、ピンク色の髪が一緒に揺れ動いていた



そういや、仮眠タイムって言ってたっけ



「……別に。これから数人始末しに行くんだわ、ピンピンしてる」





聞きたくもない仕事内容を口にされた


……いやいや、今完全に寝落ちしそうになってたじゃん


つける嘘と無理な嘘くらい見分けろよ





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