検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:2,113 hit

ページ6

「主、今日は誰も居なくならなかったよ
だから、一度でもいいから顔を見せてくれないかい?」


「主、今日は長谷部くんとお小夜が居なくなってしまったよ…
もう、あと10人くらいしか居ないんだ…寂しいくなってきた、また来るよ」



もう、一方的にしか話し掛けていなかった
誰かが居なくなると襖が少し開きその人数分の風車を差し出されるが、
口は一切開かなかった




彼女は一度だけ、外に出た
季節は冬になっており、外は人の手が加えられていない銀世界だった




「…雪だるま、作ろう。
雪うさぎも。
……寂しい、な」




そして、彼女は裸足で外に出た
足の感覚が無くなっても、服が濡れようとも、それでも作り続けた




「……ぁ、」




一通り作り終えた所で、また雪が降り出した

力を使い果たしたかのように雪に倒れ込んだ彼女は、
すぅ…と目を瞑った






「主!何をやっているんだ君は!?
風邪を引くだろう?!ほら、早く!」



慌てて駆け出してきたのは、歌仙だった
グイ、と手を引いて部屋に戻そうとする歌仙に、
彼女は何かを思い付いたように雪をかき集めだした



「さあほら!早く戻…」


バシュッ


歌仙の言葉はそこで途切れた
彼女が雪玉を作り、歌仙の顔めがけて投げたからだ


歌仙は俯き、肩を震わせたかと思いきや
地面の雪をかき集め彼女に目一杯ぶつけた


雪玉のように固めてはおらず、バラバラとした雪が彼女の上に降った




「…全く、君という人は!
もう知らないぞ、風邪を引いても!」




こうして、唐突にも雪合戦が始まったのであった

の→←の



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なゆらー | 作成日時:2017年12月27日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。