『最後までお付き合い、どーもありがとうございましたぁ!』 ページ13
やっぱり、楽しい時は時間を忘れちゃうんだなって、改めて思った。
だって、もう夜だもん。
悲しいな、哀しいな。
会いたいな、逢いたいな。
生きていたいな。
…生きて、痛いな。
前に買った服を着て、浜辺のシートに座る。
隣にはトト子ちゃん。
貴「…トト子ちゃん。
僕、今、幸せ。
だって、僕。
………大事な人のそばで、眠れるんだから。」
そう言ったら、トト子ちゃんは目を見開いて、こっちを見た。
トト「え?どういう、事…?」
理由を説明すると、
さっきまでキラキラしていた瞳には、もう大粒の涙が溜まってきていて。
貴「うん、眠っちゃうんだ。
多分、一生。
ごめんね、嘘つきで。
君の隣で、ずっと。
笑ってたかったっ…!」
気づいたときには、もう僕は涙を流していて。
トト子ちゃんも、泣いていた。
トト「嫌!嫌よ!
なんでAが死ななきゃならないの?!」
嫌だ、嫌だと言って、僕を離してくれないトト子ちゃん。
嬉しいな、こんなに僕を大切にしてくれるなんて。
貴「ごめんね、トト子ちゃん。
波打ち際、行かせて…?」
頭を撫でてからハンカチを渡し、波打ち際に独りで行く僕。
サァアア、と言って、足下には冷たい水。
こういう時に限って、病気の進行は待っててはくれないようで。
不意に、強い眠気に襲われた。
これまでに無いくらいの、強い眠気。
これじゃあ本当に死んじゃうな、なんて思って。
最後に見えたのは、此方に手を伸ばすトト子ちゃんだった。
ごめんね、トト子、ちゃんに、“幸せになって”って、まだ言って、な…い…
_______プツンッ
トト子ちゃんside→←『本日で私の人生しゅーりょーでーっす!』
87人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
罰ゲーム - うわぁ なんで、今に限って、目からめっちゃ汗が出てくるんだよ。 こんな神作品見させやがってこのやろっ←誰もお前に見せてないわアホ (2017年7月8日 22時) (レス) id: 778bd87c92 (このIDを非表示/違反報告)
道化師ロキ - うわぁああああん(泣 感動しました! (2017年7月8日 20時) (レス) id: 091673db49 (このIDを非表示/違反報告)
月影ノ 黒 - 黒「まるで透明エレジーみたいだな...」マリサ「更新頑張るんだぜ!」霊夢「面白いわ(^∀^)」 (2017年7月2日 17時) (レス) id: bfbb289b00 (このIDを非表示/違反報告)
めぇ - 生きて、痛い…みっちゃん思いだしました。 (2017年6月25日 15時) (レス) id: b5c7c4e66e (このIDを非表示/違反報告)
メル - わたしこういう話弱い(泣)((/_;)/) (2017年3月7日 22時) (レス) id: b41b086999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なゆらー | 作成日時:2016年8月16日 19時