ジャポンのヤンキー、魔法使いになる【ハリポタ】 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:22,459 hit

＊ページ8

＊

アイツらが出ていったあと、汽車の暖かな揺れと座り心地最高の席のおかげでアタシは襲ってきた睡魔に負けた。

アタシが勝てないものといえば睡魔くらいなものだ。つまり実質睡魔最強。

─────
────
──

『またここかよ』

汽車の中で眠っていたはずのアタシが目を開けると、そこは先程黒猫と話した真っ白な世界だった。

「あ、こんにちは～」

『おいクソ猫……って誰だ？』

「妾ですかぁ？妾は貴方をハリーポッターの世界に飛ばすための書類を作った、なんかめっちゃ偉い神ですぅ」

『語尾を伸ばすな語尾を。つーか、お前か。あのふざけた神とやらは』

クソ猫の代わりに目の前に立っていたのは、まっしろな着物(死人が着るような)を纏った小さな女の子しかだった。

細く黄色の瞳と緩く曲線を描いた口元は、猫を連想させる。

『んで、偉い神とやら。アタシはいつ元の世界に帰れるんだよ』

「帰りたいのですかぁ？」

『ああ、一刻も早く！な！！』

「そうですねぇ…手続きも面倒だしなぁ」

『おい、聞こえてっぞ』

神とやらは、猫のような黄色の瞳でアタシを見つめる。そして思いついたように手をポンっと叩いた。

「分かりました。では、貴方がハリーポッターの世界に飛ばされた本当の理由が分かったら、帰りの手続きを致しましょうねぇ」

『ちょっと待て！アタシが飛ばされた理由なら、あの黒猫が「助けてくれたお礼」っつってたろ！』

「では、頑張って探してくださいねぇ」

『うぉい！！無視すんなよ！！』

目の前の神が手を振った途端、再び強烈な頭痛に襲われた。ちくしょう。どいつもこいつも話を聞きやしねぇな…。

──
───
────

アナタは優しいから…きっと止めてくれる。

この世界の争いを。そして彼の死を。

────
フラグを立てたものの、フラグ回収が上手くいくか心配な作者です。