赤色の見解 no.2 ページ7
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「二郎は学校で好きな子いないの?」
「好きな子〜?俺そういうの興味ねえし」
「勿体ない。せっかく高校生なのに」
学校から帰ってくるとAが家にいた。どうやら兄ちゃんに用があったらしく、俺が注いだお茶を飲んで向かい合わせに座る。
「思春期真っ只中なんだから友達とそういう話しにならない?」
「んー、いつも大体マンガの話になるしなあ」
「でも二郎カッコいいからモテるでしょ。告白とかは?」
「まあ…なくはないけど…」
「二郎を好きになるなんてそいつも見る目がないな」
「あ゙!?煩ぇぞ三郎!!」
どこからか割り込んできた三郎に怒鳴るとAがくすりと笑った。ったく、三郎はいつも一言余計なんだよ。
「そういうAはどうだったんだよ?」
「私?」
「Aも高校行ってたんだろ?やっぱりそういうのあったのか?」
「んー………どうでしょう」
「人に聞いといてはぐらかすなよ」
「ごめんごめんっ」
Aの高校時代ってどんな感じだったんだろ。今26だから…10年前?うわ、想像できねぇや。俺が初めて会った時からもう大人だったしな。きっと今よりちょっと幼くて制服着て………、って俺なんか変態みてぇ。
「そりゃ人並みに恋愛はしたよ。好きな人も居たし」
「それってもしかしてアイツのこと?」
「アイツ?……ああ、簓?それはないないっ。むしろ簓の恋愛沙汰に巻き込まれて大変だったんだから」
「大変?」
「そー。幼馴染だからってラブレター頼まれたり取り次ぎ頼まれたりで、私のお昼時間が減る一方。めんどくさいのなんのって」
くすくすと笑うのはきっと当時のことを思い出してるんだと思う。大変だったなんて言ってるけど、Aはどこか楽しそう。
「俺にもいつかそういうやつ出来んのかな」
「どうだろ。もし付き合うならどんな女の子がいい?」
「うーん…………強いて言えば優しい子?」
「ははっ。意外にざっくり」
「いいだろそれくらいの方が」
って言っても女は興味ねーけどな。野郎で遊ぶ方がぜってえ楽しいし。するとAがカップを置きながら言った。
「いつか出来るといいね。好きな人と一緒だと嬉しいことも二倍嬉しいから」
俺がいくら馬鹿でもその裏の意味くらい分かる。
「…やっぱり俺、Aみたいなやつがいいかな」
「あらお目が高い」
「だろ?」
それでもいつかそんな奴が出来たらいいなと思わせるくらいにはAは幸せそうだ。
@xxxx 赤色の見解(Jの場合)
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るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様ありがとうございます!無事に完結して良かったです!これからも二人仲良く過ごしてくれると嬉しいですね!これからも応援宜しくお願い致します。 (2021年9月24日 9時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - 誕生日の前日ってことは今日ですよね?!完結と誕生日おめでとうございます!難しい言葉凄く知ってるから年上の方かな?白膠木さんと夢主ちゃんの関係性の名前が変わっただけで誕生日の祝い方は同じ何だろうなと思う今日この頃。作者様にとってより良い日が続きます様に! (2021年9月23日 5時) (レス) @page40 id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。長かったですね!漸くここまで書けたと嬉しくなりました!きっと盧笙さんは号泣です(笑)ぜひエピローグまで読んで楽しんで頂けたら嬉しいです!こちらこそいつも応援ありがとうございました!他作品でもぜひ宜しくお願い致します。 (2021年9月22日 14時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - やっと……やっと実った…っ!白膠木さん、長年の想い届いて良かったねぇ!どついたれ本舗四人でならきっとどんなことも乗り越えられる!だから死が2人を別つまで…って誓ってキスして躑躅森さんに感涙して欲しい。作者様、こんな素敵な物語紡いで下さってありがとう! (2021年9月20日 14時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。いつも笑ってるのは不安を隠すためだったら…っていうのは妄想ですが、絶対無敵じゃない白膠木さんもいいかなと思いました。お互いを想って応援できるようになった二人に乞うご期待を! (2021年9月6日 10時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2021年8月19日 23時