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「─────虹、」
耳鳴りが消えていく。
もうとっくに忘れていると思っていた。
Aを好きだと気づいたあの日、青い空にかかった七色の橋。
そして今、潤んだ瞳で無理して笑う彼女。
「…せやな、約束や」
そうや。跪いとる時間なんてないんや。
「簓、身体は…！」
「問題ない…って言いたいとこなんやけどなあ」
駆け寄ってきた盧笙の手を借りてなんとか立ち上がる。力なく笑えば彼が生唾を飲んだのが見えた。零も少し冷静さを失った表情でこちらを見ている。
リーダーがいっちゃん最初には倒れられんわ。
「盧笙、次が最後や」
「…………っ」
「正直身体全部がったがたやねん」
でも傷だらけなのは自分だけやない。
盧笙も零も、一郎達も次が最後やろう。
一郎、強なったなあ。昔はもっと荒々しくて全部拒絶しとったのに、今じゃ誰かのために歌えるようになったんや。良かった。
「なあ盧笙」
「…なんや」
あ、不服そう。呼んだだけやん。
もしかして…その顔は心配してくれてんか？
眉間にいつもの倍は皺寄ってんで。
「俺、芸人になって良かったわ」
「…なんやこんな時に」
「こんな時やから言うてんねん」
相変わらず真面目やなあ。こういう時こそ笑い飛ばしてくれた方が楽やって言うてるやん。
入れ直したマイクのスイッチ。
「ファンからの熱烈アンコールや。応えなあかんで」
タンッ
根元を蹴り飛ばせば一回転してマイクが立つ。
「このネタ、コンビでしかできひんねん。
もうちょい付き合うてくれん？」
身体が覚えている。
俺ら二人のネタに声出して笑ったAの声。
「あそこにおる女の子。今日はまだ笑てへんねん」
何から何までキッカケはそこからで、全部そこに行き着く。
盧笙は俺を太陽やって言うたな。そんならAは虹や。
雨のあとのキラキラと眩しい。
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るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様ありがとうございます！無事に完結して良かったです！これからも二人仲良く過ごしてくれると嬉しいですね！これからも応援宜しくお願い致します。 (2021年9月24日 9時) (
レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - 誕生日の前日ってことは今日ですよね?!完結と誕生日おめでとうございます！難しい言葉凄く知ってるから年上の方かな?白膠木さんと夢主ちゃんの関係性の名前が変わっただけで誕生日の祝い方は同じ何だろうなと思う今日この頃。作者様にとってより良い日が続きます様に! (2021年9月23日 5時) (レス) @page40 id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。長かったですね！漸くここまで書けたと嬉しくなりました！きっと盧笙さんは号泣です(笑)ぜひエピローグまで読んで楽しんで頂けたら嬉しいです！こちらこそいつも応援ありがとうございました！他作品でもぜひ宜しくお願い致します。 (2021年9月22日 14時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - やっと……やっと実った…っ！白膠木さん、長年の想い届いて良かったねぇ！どついたれ本舗四人でならきっとどんなことも乗り越えられる！だから死が２人を別つまで…って誓ってキスして躑躅森さんに感涙して欲しい。作者様、こんな素敵な物語紡いで下さってありがとう！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。いつも笑ってるのは不安を隠すためだったら…っていうのは妄想ですが、絶対無敵じゃない白膠木さんもいいかなと思いました。お互いを想って応援できるようになった二人に乞うご期待を！ (2021年9月6日 10時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るる | 作成日時：2021年8月19日 23時
