居候がおりまして。【白膠木簓】

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全自動入浴装置くれ。そんな馬鹿なことを考えて脱衣所に入ると、その時は突如訪れた。





ガコーン！！！



「あだっ！！？？冷たっ！！」

「！？なっ、なに！？」





丁度脱衣所で服に手をかけた時、風呂場から何かが落ちる音と人の声。我ながら不用心にも程があったと思う。しかし身体は勝手に動いた。


ガラリと開けた扉。飛び散るシャワー。




「え。」
「あ。」




そしてびしょ濡れの緑髪の男。




「…………え、と」




今日は何回呼吸を忘れた。やっとのこと辿々しくでた声は悲鳴なんかじゃない。

待って。誰この人。不法侵入？でもうちの風呂に窓はなくて、どこから現れて。






「えっと、ふ、風呂場にふっとばすて…？」






猫目の男の口から出たギャグで私は一気に正気を取り戻した。




「と、とりあえず警察…っ！！」
「あ！ちょっ！待ち！！！こ、ここどこやねん！！」


「どこって私の家で…！！いや！さらっと上がってくんな！！変態！！」
「さらっと変態やないわ！！俺はぬるでささらや！！」


「知らんわそんな人！！何でこんなとこにいるの！！」
「俺かて知らんわ！！左馬刻と逃げとる時にビルから落ちて、…っ。」

「あ、へ？ぎゃー！血！血！！」




よく見たら傷だらけだし額から血出してるし！

普通じゃない！絶対普通じゃ……！！




「も、あかん、っ」
「は？…な、ちょ！！」




男の身体がゆっくりと傾く。辛うじてついた彼の手も意味を成さず、つるりと滑ったそれに思わず手を出した。



私の身体よ。細くても男一人を支えようなんて、どうしてそんな無理なことしたの。こんな展開想像ついたじゃない。




ガコーン！！！




本日二回目の騒音。飛び散るシャワー。

男のジャケットも私の服も、綺麗に色濃くまとわりつく。




「…っ、厄日だ絶対…！！！」




涙？そんなのシャワーで流れたわっ！！！




▼おいでませ居候



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