19.エモーション・ドリーム! ページ19
何事も無く夜に向かい、橙色の光が降りる頃。
正直、まだ疑問は多く残っている。
靄は殆ど消えたのだが…今回俺がこんな事になったのはアイツの所為であり、
しかしその自分の以上に気付かせたのも同じ奴なのだ。
実質±0で済んでいるが、アイツに何か都合の悪い事があったから
俺への精神攻撃やら何やらを止めたのか…。
それか、ただただ純粋に自分の思っていることを言って
それが俺に影響を与えていると気が付いたのか。
前者の場合も考えて引き続き警戒する必要があるが、
どちらにせよ、余り深く関わる必要は無い。
あの場所で話したことも、起きた事も。
現実世界には何も関係ない。
彼女にも、俺の身体にも___
◇◇◇
「へぇ…確かにそれもそうだね。」
そしてまた憂鬱な夢の中、俺はそんな言葉をぼやいた。
いや、俺が警戒していると知ったら何をしてくるのかは分からない、
だからその事については全く触れなかった。
しかし…
「別に僕はただの意見として述べただけだよ。気にし過ぎ。」
まるでコイツは俺の考えていたことがまるまる分かっているかの様な発言をした。
「見れば分かるよ。そう、彼女の次に多く君の顔を見てきた。」
彼は自分の頭を指差しながら言う。
一度俺の思考が読めるのかと疑ったが、
俺は彼の感情すら読めず、思考なんて猶更だった。
それとも、豹変前の俺の能力だったのか。
だが俺がアイツのネガティブが感じ取れないのは誰だ。
「うん。君が何で僕の感情が読めないのか知りたい?」
彼はそう俺に訊いてきた。
俺はそれに対してゆっくり頷いた。
条件等を出してくれば直ぐに取り消すつもりだったが、
彼はすんなりとそれを話した。
「そう。そっか、じゃあ教えてあげる。
それは君が…僕だから。
自分に能力なんて使える訳が無い。そうでしょ?」
彼はそう言葉を述べた。
確かに彼が言っている事もあり得なくはない。
しかしとなると彼が俺の感情を理解することができるのに説明が付かない。
「あっ、それと僕が君の感情が分かるのも僕が君であるから。
能力無しでもなんだか、まだ君に僕が残っている様な気がして…
それで、結構感情も分かりやすくなってるって事だよ。
まあ、よく人やモンスターの顔を見てきたしさ。
どれも良いものではなかったけれど。」
少し俯きながら言う彼の姿は、少し弱々しく見えた。
いや、印象は普通に元からそう見えるのだが…
それでも、あれから俺に弱みを見せた事は一度も無かったのだ。!
42人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきみ(プロフ) - 反応集から来ました…!メンタルではどうしようもないですもんね。無理はしないでください!最低限のマナーなどがないとあれ?舐められてる?って思っちゃいます…神作品を読ませていただいて本当にありがとうございました! (2023年4月15日 18時) (レス) id: f3d0772f96 (このIDを非表示/違反報告)
月神 - そういえば月神もオリキャラ (2022年12月16日 18時) (レス) id: 3430f917b4 (このIDを非表示/違反報告)
月神 - 大丈夫だよ!! (2022年12月14日 21時) (レス) id: 3430f917b4 (このIDを非表示/違反報告)
暇な人(プロフ) - 月神さん» 分かったよ〜...でも最近現実でやんないといけないことが立て込んでてちょっと遅くなるかも... (2022年12月14日 20時) (レス) id: 9497c032da (このIDを非表示/違反報告)
月神 - そっちが終わったらこっちお願いしまーす (2022年12月14日 19時) (レス) id: 3430f917b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暇な人 | 作成日時:2022年11月12日 22時