第百九十一訓 ページ5
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晴太くんがスナックお登勢で働くようになって暫く経つと、彼の雰囲気は当初より大きく変化した。
初めに感じた刺々しい雰囲気もなくなり、心做しか、表情も柔らかくなった気がする。喜ばしいことだ。
晴太くんは週一ペースでお金を持って行ってるらしいが、新八くんと神楽ちゃんに聞いたところ勝手が違うようで。現場を把握する為、吉原にやって来た。
吉原で最高位の太夫に会うなんて余程の上客じゃなければ不可能だ。そんなの吉原に行くのが今日初めてな私でも分かる。
例えば「お金を幾らでも払うから石原さ○みに会わせてくれ!」と言っても会える訳がない。それと同じだ。
新八「ちょっ…ちょっと待ってよ晴太くん!コレ歩きづらいよ!!」
神楽「きりきり歩かんかい新八太夫!!」
「想像してたよりココ広いなぁ…」
吉原に通っている晴太くんは兎も角、未成年二人が普段の格好でココを彷徨くのは確実に浮くし、注目されても困る。怪しまれること山の如しだ。
なので花魁の格好をし、花魁ですけど何か?風で来たのだが、履き慣れていない高下駄のせいでフラつく新八くんが愚痴を零した。
確かに頭は重たいし、着物もヒラヒラしていて動きづらい。靴だけでも高下駄にしないで良かったと安堵する。
「新八くん疲れてそうだし、一旦休憩しようか」
新八「た、助かります…」
神楽「歩けないなら股の棒使ってでも歩けヨ!どうせそれぐらいしか使い道ないんダロ。良い機会アル」
「うん神楽ちゃんそう言う発言は避けようか。新八くんが男だってバレちゃうからね」
吉原に来て早々、旦那はふらっと何処かに消えてしまった。"男の極楽"と呼ばれる位の街なのだから、もしや…と訝しみつつ路肩の階段に腰を下ろすと、大通りが妙に騒がしい。
終いには「曲者!曲者!」なんて物騒な声まで響いてきたので、私の予想とは裏腹に旦那が何かやらかしたのだと一人納得。
火の粉が飛んでこなければいいのだが、と我々の安全を願いつつ、そういえば晴太くんにまだ"あの話"をしていなかったので休憩がてらに話してしまおうと思い立ち、彼と向き直った。
「早々に申し訳ないんだけど、晴太くんが預けたお金見世番さんに使い込まれてたらしいよ」
「…えっ!?」
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凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時