【銀魂】今日もお江戸は平和です ５

第百九十訓 ページ4

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晴太くんは親に捨てられ、物心ついた時にはおじいさんに育てられていたんだとか。

そんなおじいさんが死ぬ間際、晴太くんの"母は吉原にいる"、との事を匂わせて言ったらしく。



晴太「あの人…オイラの母ちゃんかも知らないんだよ！！会って話がしたいんだよ…でも、何度呼びかけても、叫んでも、あの人はオイラの方を見ようともしない」



机を叩き拳を握りしめて悲しそうな顔をする晴太くんに、母という存在はここまで偉大なのだと感心する。

母、というものが晴太くんの年の頃には深く感じなくなっていた為あまり感情移入できないのが、残念ではあるけれど。



晴太「だからオイラ…たとえ一時でもあの人に会おうと客として…あの人を買おうって。それで…泥棒みたいなバカなマネまで…」

お登勢「本末転倒だよ。母親に会うためにそんなマネして、母ちゃん喜ぶと思うかい」



鼻を啜って泣き始めた晴太くんに、お登勢さんが普段と変わらぬ調子で燻る煙草の煙を吐き出した。



お登勢「働いてきな、此処で。花魁買えるだかの金なんて出しゃしないがね、少しは足しになるだろうさ。だからスリなんてもう二度とすんじゃないよ」

晴太「…が、とう…ありがとうございます！！」



スナックのママをやっているだけあり、包容力が半端ないお登勢さんに感服する、流石だ…さっきから驚いてばかりだな、私。


「俺の財布の10万の方もしっかり稼いでくれよな」と言い残し出て行った旦那を横目で見送り、私も後に続くように席を立った。旦那の財布にそんな大金が入っているとは到底思えないが。



「良かったね、就職先見つかって。仕事の手間が省けたよ、ありがとう」

晴太「う、うん？」

キャサリン「オイ入場料ノ諭吉三枚払ッテケヨ税金泥棒！！」

「お登勢さん駄目でしょう、ペットの世話はきちんとしないと。首輪、外れてますよ」

キャサリン「誰ガペットダ！！」



折角訪れたのだからお酒の一杯でも飲んで帰りたかったが、一応勤務中である。バレたら面倒な事この上ないので「お邪魔しましたー」と言って店を出た。


…聞いた話、持って行ったお金は帳簿につけてもらってるらしいが、それも本当かどうか怪しい所である。そもそも、子供が女を買うなんて馬鹿げた話をまともに取り扱ってくれるだろうか。

吉原は此処とは違い、警察の特権を振り翳せない為、色々とやりにくそうなのは目に見えてる。


…これから忙しくなりそうだ。



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