第百六十二訓 ページ20
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戦いは誰がどう見ても私達の方が優勢で、あっという間に方が付いた。負けることを見越した敵が逃げていったこともあるが。
そのせいか、さっきまでは意識しなくても騒がしかった場も今は静寂に包まれ、伊東さんを囲むように私達が立つ。
そこに、伊東さんに向け土方さんが刀を投げる。
土方「立て、伊東。決着つけようじゃねーか」
普段と変わらない口調で淡々と述べて煙草を吸う姿と、刀を受け取って立ち上がる姿を黙って見つめる。
お互いがお互いの名を呼び合って、お互いがお互いの刀を交える。
所詮、彼は裏切り者。現に近藤さんを殺そうとした。けれど裏切り者とくるのだから
彼を、裏切り者のまま死なせたくないと言えば甘い連中だと笑われるだろうか。
最期は、真選組の仲間として死なせてあげたいと言えば手前勝手だと咎められるだろうか。
少なくともこの場にそんな人がいなかっただけ静かに終えることができる。騒がしいとそれはそれで私達らしいのかもしれないけれど。
本気でぶつかり合った結果、斬られたのは伊東さんで、溢れ出る血をそのままに、私達をグルっと見回すと、
伊東「が…とう、あり……が、とう」
声を震わせ、涙を零しながら、それでも彼は笑って、ドサっと倒れていった。
分かっていたことだけれどもう少し一緒にお酒を飲んで話していたかったな、なんて。柄にもなく思ってしまった。
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ばる - 更新ありがとうございます(o^^o)短編集も見てみます!応援しています(*^_^*) (2019年10月23日 21時) (レス) id: a4bb1cfb64 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 柊ひなさん» なぜか全く身に覚えのない\マークが入ってしまいました…。なんの意味もないのでスルーしてください(T_T) (2019年9月12日 14時) (レス) id: a4bb1cfb64 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 柊ひなさん» わー!返信頂けると思っていなかったので凄く嬉しいです\(( °ω° ))/申し訳ないことなんてないですよ!柊ひなさんの気が向いたときにでも更新してくだされば私がめちゃめちゃ喜びます\( 'ω')/これからも応援していきますね!! (2019年9月12日 14時) (レス) id: a4bb1cfb64 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» んんん〜〜!!とっても温かい感想ありがとうございます!!自分の妄想を爆発させただけの作品で喜んでくれる方がいるなんて本当に嬉しいです。週一更新を目指しているのですがなかなか出来ず申し訳ない。。。あー引きこもってたい!! (2019年9月11日 23時) (レス) id: 68ffe842de (このIDを非表示/違反報告)
ばる - はじめまして(*^^*)柊ひなさんの小説、原作に忠実かつ主人公が浮いていなくて最初から最新話まで何回も読み返ししているくらい大好きです(o^^o)これからも柊ひなさんのペースでの更新、楽しみにしていますo(^▽^)o (2019年9月6日 22時) (レス) id: a4bb1cfb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年7月15日 15時