第百六十一訓 ページ19
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一度目は私が止め、二度目は新八くんが怒鳴るも言い合いを続ける二人をどうしたものかと考えていると、とてつもない轟音と共に車両が激しく揺れた。
何事かとあたりを見回すと、列車が爆発していたらしく、その爆発のせいで橋が崩れ、前方車両が落ちそうになっていた。
後方にいた私達は助かったが「前方車両に向かったトシが危ない!」と心配の声を上げた近藤さんに続き、みんなで前方車両へ向かう。
けれどそこにいたのは今にも谷底に落ちそうな伊東さんで。それを近藤さんが落ちる寸前に手を掴み、近藤さんを総悟が掴んで、といった感じで何とか防ぐ。
ヘリコプターが襲撃に来たりもしたが、そこは土方さんのおかげで何とかなり、神楽ちゃんの怪力で全員引き上げてもらう。
しかし追い討ちをかけるように、今度は黒い制服ではない敵がぞろぞろと現れた。休む暇も与えてくれず苛立ちしかないが、元仲間じゃないだけ斬りやすい。
その時、逸早く二度目のヘリコプターが襲撃に来たことを察知した土方さんが「伏せろォォ!!」と叫んだ。
言われた通りにしたが、伏せただけでは直撃は免れない。でもいくら待っても体に痛みはこなくて。恐る恐る顔を上げると、私達を庇うように伊東さんが立っていた。
近藤「先生ェェェェ!!」
「なにを…」
思わず声が出て、倒れる伊東さんに近寄る。
先の爆発で左腕をなくし、私達を庇うように敵の的になって全身は血だらけで、裏切り者の筈なのに何故こんな事をしたのか、分からなかった。
伊東「…驚いたな、君はそんな顔も出来るのか」
「当たり前でしょ。柄でもないことしてギャップ萌え狙ってるのかもしれませんけど全くときめきませんでしたから」
伊東「フフッ…これでも駄目か。今回はイケると思ったんだが…君は難しいな」
「…死に急ぐ人なんて好きになれませんよ」
自分でも分かるくらい顔を顰めて言えば、伊東さんは少し口角を上げて「君だって同じ状況だったらするだろう?」と。それに続いて土方さんに指揮を取れと伊東さんが促す。
言われた通り土方さんは私達に指揮をし、一時落ち着いていた場もまた騒がしくなって皆が敵をどんどん斬って行く…私も行かなくては。
「…本当、嫌な事言いますよね。今日だけで伊東さんのポイント下がりまくりですよ。上げるには奢りだけじゃ済まないですからね」
伊東さんにそう言い残して、私も戦う彼らの元に走っていった。
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ばる - 更新ありがとうございます(o^^o)短編集も見てみます!応援しています(*^_^*) (2019年10月23日 21時) (レス) id: a4bb1cfb64 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 柊ひなさん» なぜか全く身に覚えのない\マークが入ってしまいました…。なんの意味もないのでスルーしてください(T_T) (2019年9月12日 14時) (レス) id: a4bb1cfb64 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 柊ひなさん» わー!返信頂けると思っていなかったので凄く嬉しいです\(( °ω° ))/申し訳ないことなんてないですよ!柊ひなさんの気が向いたときにでも更新してくだされば私がめちゃめちゃ喜びます\( 'ω')/これからも応援していきますね!! (2019年9月12日 14時) (レス) id: a4bb1cfb64 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» んんん〜〜!!とっても温かい感想ありがとうございます!!自分の妄想を爆発させただけの作品で喜んでくれる方がいるなんて本当に嬉しいです。週一更新を目指しているのですがなかなか出来ず申し訳ない。。。あー引きこもってたい!! (2019年9月11日 23時) (レス) id: 68ffe842de (このIDを非表示/違反報告)
ばる - はじめまして(*^^*)柊ひなさんの小説、原作に忠実かつ主人公が浮いていなくて最初から最新話まで何回も読み返ししているくらい大好きです(o^^o)これからも柊ひなさんのペースでの更新、楽しみにしていますo(^▽^)o (2019年9月6日 22時) (レス) id: a4bb1cfb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年7月15日 15時