第九十九訓 ページ5
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山崎「気持ちは分かりますけど今はダメです!抑えて下さい!」
「だってコイツが…」
「二人でコソコソ何話してんだァ?」
「サニブラ◯◯選手が100メートルで9秒台をマークしたことについて話し合ってたんです。私達もそれぐらい速く走れるようになりたいな〜って。ねぇ退子?」
山崎に向けていた嫌悪の表情をクルッと相手に向き直る際に笑顔に変え、息を吐くようについた嘘で誤魔化す。
「変わり身はやっ!」と山崎の声が聞こえてきたが、自分に話が振られたと知ると、少し慌てながらも話を合わせてくれた。空気が読める人間で助かる。
「そ、そうなんだ〜、テレビ良く見てるんだね」
「今季はドラマが面白いのばかりですもんね」
「そうなの?俺テレビ見ないから分かんねェなァ…お前何か見てる?」
「俺っスか?"あなたの番です"は一応リアタイで観るようにはしてますけど…」
「何ソレ?面白いの?」
「あなたの番ですを知らない?凄く面白いのに…田中圭に絶対惚れますから。観た方が良いですよ」
観ていないと言っている男の人にドラマの魅力について語ろうとすると、車の近くにいた男の人が「さっさとしろ!」と怒鳴って来た。そんなにドラマの話聞きたいのかと思ったが、違うらしい。
その言葉は私に向けてではなく、ドラマ?何ソレ?と言っていた男に言っていたらしく、それを聞いた男共がハッとして、私と山崎の腕を強引に引っ張る。
「オラッ!ついて来い!!」
「やめてくださいっ!」
山崎「いやっ、離して!!」
山崎の甲高い声に引きつつ普通の女子ならこういうであろう言葉を並べ、これまた強引に車に乗せられる。さっきまでの雰囲気はどこにいったのだろう。
それから少しして動いていた車が止まり、外に引っ張り出される。痛っ!何でコイツらちょくちょく乱暴なの?腹立つんですけど。絶対童貞だろ。
「こりゃまた随分と上玉が手に入ったじゃねェか」
「誘拐だけに使うのは惜しいなァ。ちょっと遊んどくかァ?」
人が思うように動けないからって言いたい放題言いやがって。口答えしようとしたが、山崎にアンタはもう喋るなと言われたので黙って俯く。
遊ばれるという最悪な状況にはならなかったものの、誘拐犯達からの視線が気持ち悪い。こっち見てても何も起きねーから。早いとこ女の子達のいる部屋に案内してくれ。
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クローバー - タイトルの第が大になっていますよ (2022年10月23日 19時) (レス) @page25 id: f7867713b9 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ミクさん» 洒落にならない数々のミス申し訳ありません。一通り目を通し修正してきました。ココがまだおかしい、という箇所がありましたらお手数ですがまた教えて頂けると幸いです。すみません。 (2021年8月5日 20時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 時々、坂田「銀さんたぶらかして」みたいな感じになって最初の「の前の名前が違っていることがあります (2021年8月5日 13時) (レス) id: c0f1b840e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - MEIさん» ありがとうございます!テスト、なんとか終わりました!!テストお疲れ様です!2週間以上も前ですけど(笑) (2019年6月7日 7時) (レス) id: bb6b3491df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年5月12日 12時