【銀魂】今日もお江戸は平和です ３

第百十一訓 ページ17

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山崎「＿＿ようやく落ち着いたみたいですよ」



その後、倒れたミツバ姉を屋敷に運び医者を呼んだ。私達が思っているより病状は良くないらしい。

倒れたのが屋敷の前じゃなかったらどうなってたことか、と山崎が隣の部屋で寝ているミツバ姉を障子越しに覗きながら呟く。


続けて、視線をこちらに移さぬまま「旦那はなんでミツバさんと一緒に？」と旦那に尋ねる。私もそれについては気になっていたので耳を傾けていると「…なりゆき」と煎餅を食べながら答えた。



坂田「そーゆうお前はどうしてアフロ？」

山崎「なりゆきです」



どんななりゆきだ、と心の中で突っ込む。

すると、今度は旦那が縁側でタバコを吸っている土方さんに話しかけた。先程のやり取りを見れば二人の間に何かあるのは明らかで、分かっていて話を振る旦那はデリカシーがないというか性格が悪い。



坂田「ツラ見ただけで倒れちまうたァよっぽどの事あったんじゃねーの、おたくら？」

土方「てめーにゃ関係ねェ」

坂田「すいませーん。男と女の関係に他人が首突っ込むなんざ野暮ですた〜」

山崎「ダメですよ旦那〜。副長ああ見えて純情(ウブ)なんだから〜」



そっとしといてあげればいいものを、旦那と山崎が煽るものだから刀を抜いて殺さんばかりの勢いで土方さんが旦那を斬ろうとし出してしまった。


山崎が止めに入ったから良かったが、つーか止めに入るくらいなら始めから煽るなと思ったけれど、此処が血生臭い場所にならなかっただけ良かったとする。



土方「関係ねーっつってんだろーがァァ！！大体なんでてめェがここにいるんだ！！」

山崎「副長落ちついてェ！隣に病人がいるんですよ！！」

土方「うるせェェ！大体オメーはなんでアフロなんだよ！！」

「旦那、今の土方さんはデリケートなんです。これ以上煽らんといて下さい」



山崎の言う通り隣に病人がいるんだから静かにしていて欲しい……私も一応病人だし。いや、別に私に気を使って欲しいわけじゃないけれど。寧ろ私に使う分の気をミツバ姉に使って欲しいけれど。


声を抑えて旦那に注意すると、騒がしい空気を取っ払うように障子が静かに開いた。入ってきた人物は一言で表すと礼儀正しい人だった。

丁寧に頭を下げ、これまた丁寧にお礼の意を述べる彼がミツバ姉の旦那さんらしい。蔵場当馬と名乗った彼は『転海屋』といった名で貿易業を営んでいるらしく、それ故の丁寧な接客なのだと納得する。



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