【銀魂】今日もお江戸は平和です

第二十四訓 ページ25

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食べられそうになっていた所を何とか新八君に助けてもらい、礼を言う。頭が先程にも増してグラグラするのはきっと気のせいだろう。

あ、開けられてないお酒見っけ。ラッキー。



「うわっ、凄い缶の量！！これ全部Aさんが飲んだんですか！？」

「お酒って美味しいんだよ、新八くん。ついいっぱい飲んじゃうんだよね」



「ちょっと眠くなったけどお酒は強い方だから全然大丈夫」と笑いかければ「…そうみたいですね」と若干引き気味に言われた。



「ああっ！！Aさん飲み過ぎですよ！！もうアンタ飲んじゃダメ！！」

「大丈夫だよザキ〜、私お酒強いもん」

「強くたってこんな飲んだらザルのAさんでも酔います！！世話焼かされるこっちの身にもなって下さい！」



「酔うと面倒くさいんだから…」と怒るザキを鬱陶しく思いつつ、無視していたら缶を取り上げられる。


仕方ないので諦め、私が作ったにも関わらず一口も食べていない唐揚げを食べるべく辺りを見渡していると不意に誰かが腰に抱き着いてきた。

振り向いて確認するとその正体はボロボロの総悟で、近くにはお酒と私が唐揚げを入れてきた空の弁当箱…食べやがったなコイツ。


お酒しか飲んでないから固形物が食べたかったのに。ムカつくぐらいサラサラの髪に指を通しながら「重い、どいて」と簡潔に伝える。



「あと1分…あと…10分……やっぱ、ずっと…」

「ふざけんなよクソガキ」

　

ゆらゆら揺れても全く動じず、寧ろ抱きしめる力が強くなっている。勘弁してくれ、そもそも未成年で酒を飲むな。私を叱る前に総悟を叱れよ山崎。



「Aちゃんお腹空いてるの？良かったらこれ食べない？私が作ったんだけど結構上手にできたの！」



私が動かないのを察してかこっちに来てくれた妙ちゃん。最高に優しい。妙ちゃんの手料理は初めて食べるのでドキドキしながら箸を持つ。が、



「………コレ、妙ちゃんが作ったの？」

「そうなの。料理はあまり得意じゃないんだけどお花見だから作ってきたのよ、卵焼き」



卵、焼き……たっ、卵焼き？この、真っ黒なのが？

焦げったってレベルじゃなくね。プスプスしてるんですけど、ブラックホールみたいなんですけど。世界中の闇という闇を集めてらっしゃるんですか。



「あはは…ちょっとお酒飲み過ぎちゃってお腹一杯になっちゃったかな、うん。折角だけど遠慮しとくね」

「でもさっきお腹空いたって言ってたじゃない」

「……」



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