【あんスタ】一等星に手を伸ばす【天祥院英智】

32. ページ33

「fineとUNDEAD、延長の末勝ち残ったのは…

fine！」


椚先生の声を合図に一気に歓声が沸き上がる。
fineはなんとか準決勝を突破し、決勝に進める。
私は息を吐き、そっと胸をなで下ろした。


「これで終いかよ！かかってこいよ！」

「肉を食って休息しよう」


一方、敗者のUNDEADメンバーはそれぞれ舞台袖へと退場して行った。
同じく退場する朔間さんと目が合った。


「このドリフェス、お主はどう見とるのかのう？」


朔間さんの射抜くような視線は、いつもだったら逸らしたくなる。
でも、今は真っ直ぐ見つめ返すことができた。


「英智の、思い通りになるだけです」

「ほう…」


朔間さんが目を細めた。
まるで私のことを図っているかのようだ。

手に力が篭もる。

少しだけ緩めて握り直すと、もう覚悟は決まっていた。


「それがどんな結果になるのか、ちゃんと傍で見届けたい
それが私の今できる、唯一のことだと思っています」

「そうか」


私の言葉を聞いた朔間さんは、優しく口角をあげたように見えた。


「ちゃんと大事にしてるようじゃの
感心感心」

「それでは、失敬
諸君らの健闘を祈っておるよ」


満足気に去っていく朔間さんを横目に、舞台上へと視線を移すと、もう決勝戦が始まろうとしていた。



この戦いで、SSの出場ユニットが決まる。

それは夢ノ咲学院の頂点を意味する。


革命か、屈服か。
もう誰もどちらかなんてわからない。


私は、英智をfineをただ見守るだけだ。

でも、あの時とは違う。








誰よりも輝いて、みんな

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