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イベント ページ23

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 場所はイケブクロ、某ゲームの同人イベント会場だ。今日の私はコスプレで参戦している。もともとは新刊を出そうと思っていたのだが、ぜんぜん間に合わなかった。

「いざ、着てみると恥ずかしいのかなと思ったけどそうでもないな……。いや、マスクっていいな」

 そんなことを呟きながら、かねてより調べておいた聖書を買い漁っていた。どんどん財布の中身が軽くなっていくのと反比例して、トートバッグの中身が重たくなっていく。どんどん心の中も満足になってきた。偶には一人で遊びに行くのもいいな。
 そう思いながら、帰るために着替えようと移動していると声をかけられた。

「あの、写真いいですか?」
「んー?あ、写真ですね。良いですよ」

 振り返ると、目元にナキボクロがある少年がいた。身長から察するに中学生か高校生ぐらいだろうか。けっこう可愛い顔立ちだ。女装が良く似合いそうな華奢な体型だな、と観察してしまう。
 彼の隣に近づき、彼のスマホで撮影した。丁度良かったので、私のスマホでも撮影した。盛らなくても可愛いなんて本当に、うらやましい。

「ありがとうございました。完成度高いですね。そのゲームのキャラクター、僕、よく使うんです」
「そうなんですか!私はこのキャラクターは使わないんですけど、身長的に……ね」
「へー……このキャラも使いようによってはとってもいいキャラですよね」
「それは思います。でも……このゲームのキャラクターって大体そうですよね。最初は使いづらいけど、やりこんだら使い勝手が良くなるってかんじが……」

 話しやすい少年に連れられて、私も話がどんどん弾んでいく。気が付けば、夕方になっていた。二人して、時計を見て苦笑した。いやー、オタクって本当に仲良くなるの早いな。

「あ、そろそろ帰らないと。……お姉さん、どこのディビジョンにお住まいですか?イケブクロですか?」
「いいや、シガディビジョンですよ。オオサカディビジョンとかナゴヤディビジョンとか、あの辺の」
「もしかして、今日って新幹線で帰るつもりでしたか?すみません、引き留めてしまったみたいで」
「いえいえ!私も楽しかったので、お互い様ですね」

 そう言って、駅まで送ってもらった。
 いやー、楽しかったな。と、新幹線の中でしみじみと思った。最近、イベントに参加できていなかったというのもあるが、話が通じたことが嬉しい。

「そう言えば……あの子、どっかで聞いたことのある声だったな。どこだろう?」

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一期Love(プロフ) - 簓推しなのでこの小説見つけてテンション上がっちゃいました笑私関西人なんですけど関西弁もあんまり違和感ないしキャラも上手く表現?されててスゴイなー!って思いました!これからも頑張ってください。更新待ってマス!! (2019年10月21日 21時) (レス) id: 2345a9075e (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - レインさん» 誤植の指摘、ありがとうございます。すぐに確認させていただきますね。 (2019年10月10日 14時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 上層じゃなくて女装じゃないですか?間違ってたらすみません! (2019年10月9日 16時) (レス) id: a7f544d6f5 (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - リつきさん» 有難うございます。楽しんでいただけて幸いです。キュンキュン、してますかね?? (2019年10月5日 21時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
リつき - とても良かったです!めっちゃキュンキュンしました!!!素敵な作品ありがとうございます!続き楽しみにしてます♪ (2019年10月5日 20時) (レス) id: 4bdd39adda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高炉 | 作成日時:2019年10月2日 0時

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