半妖のかぐや姫《ぬらりひょんの孫》第4章 (ページ42)

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第140夜-月と気持ち- ページ42

《Aside》

鴉天狗『では、リクオ様の三代目襲名を祝い、カンパイ！』

『『『カンパ―――イ！！』』』

三代目襲名式が終わり、今は広間で宴会をしている。

お酒や料理を囲んで、リクオくんのおじいさんもすごく喜んでいて、牛鬼さんは涙ぐんでいる。

でも私にはまだいづらい席だな。

雲母『大丈夫か？』

A『…疲れた。』

私はこっそりと広間を抜けて、屋根まで行き、雲母と一緒に夜風にあたる。

A『妖怪ってお酒入ると、人以上に酔っ払いなるわね。』

雲母『まぁそうだな。十六夜は特にだ。

撫子はあぁいう席でしか飲まないからな…っ！』

A『…いいよ気にしないで。お婆様、大丈夫かな。』

当主としてもそうだけど、結界の守護を行わないといけない。

無理してないといいけど。

と、脱力していたら、背後から誰かに抱きつかれた。

首には腕を優しく巻いてギュッと抱く。

この気配。

A『リクオくん…？』

リ『よぉ。どうかしたのか？』

A『お酒の席は苦手なだけだよ。

それに、こうやって月を見てる方が落ち着くし。』

そう言うリクオくんは私を膝の上に乗せてまたギュッと抱きついた。

あれ、隣に座ってくれるんじゃないの？

A『リクオくん？おーい…？』

リ『…(ギュっ』

A『っ！ちょっ何、どうしたの…っ//』

リ『…やっとAに触れられたぜ。』

A『えっ//』

リ『一ヶ月も会えなかったんだぜ？』

A『そりゃ、ボソっ)私も寂しかったし…』

リ『なんだ？声が小さくて聞こえねぇな。』

A『絶対聞こえてたでしょ！もう言わないから！！』

なんて、笑い合って話す私たち。

こうやってリクオくんと話すのは本当に久しぶり。

京都の時、やっとリクオくんに会えて、ボロボロになりながらも助けてくれて。

あの時はじめて、大切な人を失うのはこんなに怖いことなんだと思った。

A『リクオくん、本当にありがとう。』

リ『ん？』

A『いっぱい助けてくれて。

これから迷惑かけると思うけど、家に置いてくれることも。』

リ『当たり前だろ？

惚れた女が何かあれば心配するに決まってる。

ま、これからは色々付き合ってもらうぜ？』

A『っ//…は、はい。』

その後は、一緒に月を見ながら夜風にあたっていた。

月を眺めるリクオくんを見て、私は、もうリクオくんと同じ気持ちなんだと気づいた。

いつか、自分でこの気持ちを言える日が来るだろうか。

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