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第122夜-大義- ページ24

《Aside》


弐條城の中に入ると、そこら中に妖気が溢れている。

どこから妖怪が現れても可笑しくない状況だ。





ガキィィィィィィィィン!!





鬼童丸『また会ったな、小僧。』


リ『お前は、遠野であった…』

鬼童丸『…この匂い…なるほど、そこの娘。』

A『っ!(私の事よね…っ)』


鬼童丸『あの女と同じ匂い…貴様、赫奕か。

…そうか'呪い'とはいえ孫も力を引き継いだのか。』

A『匂い?呪い…どういう意味よそれ。』

鬼童丸『しかしここまでよう辿りついた。

だが、ここから先へ通すわけにはいかん。

そして赫奕。貴様の生肝、羽衣狐様へ献上しろ…!』


周りの空気が重くなる。

この妖怪の殺気だけで、体が固まったように動かなくなる。これが畏。


鬼童丸『お主、我らが宿願を阻む大義があるとは、とても見えんな。

我ら千年の宿願を…!!』



ドドドドッ…!!



氷麗『うわ!!』

A『何?この地響き…?』


秀元『まずいな…出産が始まったんか?』

A『そんな…!』


リ『どけおっさん。』

鬼童丸『断る。あのお方は仰った。

'この世に相応しいのは人と妖、光と闇の強制ではない。闇が光の上に立つ秩序ある世界'だ。』

リ『闇が…光…』


鬼童丸『娘、貴様の祖母もだ。

同じ京妖怪なら何故こちら世界へ来ない。何故拒む。

あの方と赫奕が結ばれることで真の闇の世界が生成される。』

A『祖母はそんな世界を望んでいないわ。

もちろん私もね。』


鬼童丸『…改めて聞こう。百鬼を率いてどうする?貴様に大義があるのか?

貴様も妖なら、真の闇の主「鵺」の復活を共に言祝ぐべきだ…

そして我ら、京妖怪の下僕となり、理想世界の建設にその身を捧げるのだ。

そして赫奕、貴様もその身と生肝を献上しろ。

従わぬなら…ここで死ね!!』


A『っ…』


ここで私が出ればもしかしたら。

そう頭をよぎってしまう。

するとリクオくんが私の前に出てくれた。


リ『成る程…闇が光の上に立つ…確かに面白そうな話じゃねぇか。

俺も妖怪だ…フっ)血が疼く…』


氷麗『リクオ様…!?』

リ『…』

A『っ?リクオくん…』


一度リクオくんは私を見た。

きっと'心配するな'という意味なのかな。


鬼童丸『ならば何故従わぬ?』


リ『簡単さ、妖怪は悪…確かにそうだ。

人間相手に悪行三昧…人から畏れられる存在…

ただよ…それでもオメーらとは違うんだ。』





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作者名:りっちゃ | 作成日時:2020年5月28日 11時

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