第拾捌話 ページ26
太｢さて、そろそろ、帰ろう｣
国｢ああ、そうだな、その小僧はどうする｣
太｢それなら、私が運んでおくよ。｣
そういって、解散となった…ぞろぞろと、みんなが帰っていく中、私はなかなか、動けずにいた…
頭が痛い、ずっとコーヒーカップで回され続けた後のような気持ち悪さがこみ上げる…
無理して走って、異能を使ったからかな？
座り込んで口を抑える…
隣に誰かが立つ気配を感じるが、今はそちらを見る元気さえない…
それは、私のそばにしゃがみこむと、背中をさすってくれる…
｢…うぅ……ありがとう…ございます…太宰さん……｣
太｢気にしなくていいよ。無理をさせたのは私だ。｣
｢そう、ですね…また今度何か、おごらせます…から…｣
太｢財布を流されたから、当分無理だよ？｣
軽い口調で言うから、私は呆れるしかなかった。
でも、こうやって隣にいてくれるだけで、私は充分だった。
太｢大丈夫かい？｣
｢はい、もう大丈夫です。｣
太｢じゃあ、行こうか｣
その言葉を合図に、私は立ち上がり、太宰さんは中島くんを抱え歩き出した…
会社の寮の空き部屋に彼を寝かせ、私達はそこをあとにした…
｢あーあ、せっかくの非番だったのに…｣
太｢うふふ、いいじゃないか。今日はもう電車もないし、うちに来るかい？｣
｢え！？あああ！｣
太宰さんの言葉に私は腕時計を見れば、本当に終電を逃していた…
まぁ、1駅ぐらい、頑張れば歩けなくもないけれど…
いや、タクシーを呼べばいいだけじゃないか…
｢結構です…タクシー呼んで、それで帰りますので…｣
太｢そうかい？それは残念だ｣
そういって、ヘラヘラと笑っている。
そんな彼と別れ、タクシーを呼ぼうと、携帯を取り出す。
スカートのポケットに手を入れ携帯を取り出すと、違和感を覚える。
携帯を反対の手に持ち替えまたポケットを探る…
ない…
反対のポケットにもない…
慌ててカバンを探すも見当たらない…
｢え…鍵落とした？｣
どうやら、先程の攻防でポケットから落ちたらしい…
やってしまった。
帰れたとしても、家があかない。
取りに戻ったとしてもこの暗い中見つけ出すことは難しい。
そして、探偵社ももう人はいないだろう…
｢うぅ……ほんとに、太宰さんと行動するとろくなことない｣
泣きそうになるのを必死にこらえ、この時間唯一電話しても良さそうな人に電話をかけた…
((prrrrrr p
『もしもし？』
｢お願いします。1晩だけ部屋を貸してください…太宰さん｣
絞り出すようにそう言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 404人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱいなぽぉ - あの、この異能力時止めとかできないでしょうか…？時を操るので時を止めらことも可能かと。 (2021年8月1日 22時) (
レス) id: 59ee284dae (このIDを非表示/違反報告)
柊 雪妃(プロフ) - 茜さん» いえいえ！(*'▽'*)♪おお！そーなのですか！私も佐々木さん、六蔵くん大好きです！まさかアニメに出してくれるとは思っていなかったのでびっくりでしたよ！(ﾉ*°▽°)ﾉ (2016年6月8日 8時) (レス) id: 66467ea215 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 更新ありがとうございます!!私も原作強のアニメ弱です(*´∇｀*)だけど信子さんや情報やなどはすきです応援しています!! (2016年6月8日 5時) (携帯から) (レス) id: c0288a584d (このIDを非表示/違反報告)
柊 雪妃(プロフ) - 茜さん» ホントですか！？ありがとうございます！ヾ(´∇｀)ﾉ私は両方です…原作強めですけど、アニメの表現でいいなと思ったところはそれにしてあります。wwアニメつけながら左手原作右手スマホみたいな作業環境ですねww (2016年6月4日 22時) (レス) id: 66467ea215 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - この小説大好きです！これからも応援しています！ 質問なんですか、作者様はアニメを見て書いてるんですか？原作ですか？ (2016年6月4日 22時) (携帯から) (レス) id: c0288a584d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊 雪妃 | 作成日時：2016年5月30日 23時
