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「成程。噂通り絶世の美女だ...」
「あ、あやかし...」

生き肝信仰の...?

ーダダダダ...ガラッ!!!

『っ、よーちゃん! ?貴様、何をしている!!!』
「なまえ!」

異様な気配を察知して、珱姫の父親との話も疎かに駆けつけてみれば、なにやら珍妙な長髪の男に珱姫が押し倒されている。そんな状況に、血が上る。
彼女が自分の名を呼んだのを聞きながら、その男に向かって殺気を飛ばすと、そいつは愉しげに笑みを浮かべた

その余裕が気に食わなくて、すかさず珱姫の懐刀を奪う様に手に取ると、その男目掛けて一文字に斬った

『(っち、腕を掠っただけかよ)』

「おぉっと...まさか用心棒が女子とはなかなか....なっ!?」

ーブワッ....!

急な展開に目を丸くする珱姫、男も今までの余裕が驚きに変わった。普通の刀とは違うそれ。
男の腕からは、鮮血と一緒に妖気が出て行く

「おいおいこいつぁ、」
『妖刀。もとい、退魔刀"祢々切丸"』
「...はっ...!」

珱姫は、その現場を見るや否や、無意識からか、男の腕に両手をかざした

『よ、よーちゃん?!』
「...!」

淡い光とともに、みるみる男の傷は塞がっていく。
こんな奴を...と漏らす隣で男はその珱姫の本当の力に目を奪われていた

「と、まった...?」
「おまえ....なんだ...?」

相変わらず珱姫は優しい。
だからそんな優しさが、時には罪になるんだ。日頃の自責の念という罪に。

『...いい加減離れろ』

だから、こんな男に、情けは無用だよ。

畏れを遣い、その男の首筋にに後ろからそっと祢々切丸を突きつけた。

「おぬし、いつ動いた」
『さあいつかな。お前も、どうやら気配を消せるらしいな。ここ最近、ちらりと見える影、気にしておいて良かったよ。まったく面倒な日に現れやがって。まさかそれを読んで狙ったんじゃあ、ないよな?』

そう、気づいていた。
だが、その気配はまるで座敷わらしの様に無害で、そこまで気にかけては居なかった。
...のはずなのに。

「まさかのぅ。そんなセコい事ぁしねぇよ。ただワシゃ、京一の絶世の美女とやらを拝みに来ただけ。...だがそれにどうやら、オマケが付いてきたみたいだがのぉ」
『ふん、オマケで悪かったな。あいにくそのオマケに貴様は殺されかけているぞ』
「ほぅ、相当腕に自信がある様に見受けるが...ワシに勝つ気かい?」
『貴さー(是光の気配...!)』

ーダッ

『な!!』
「なまえ!」

陸→←肆



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作者名:ばっちゃん | 作成日時:2018年1月27日 23時

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