ぬらりひょんの孫夢小説ー闇よりも銀ー (ページ6)

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肆ページ6

「...なまえ、夕餉を共にという伝言も仰せつかっているからな。それ程長い話なんだろう」
『げっ...あいつも悪趣味な。半妖と対一で飯を食いたいってのか。その所為でよーちゃんと一緒に食べてあげれないってのに』

そう文句を言いつつ部屋を出て行くなまえに呆れたため息を吐きつつ、珱姫は微笑った。最後のセリフが、自分との夕餉を大切にしてくれていたと言う意味だと分かったからだ。ただ、

「お父上も、随分と変わられてしまった...」

きっとなまえに、また新しい仕事を依頼する気なのだろう。初めは私をお世話、保護する事だけだった。なのにいつの間にか、"それ以上"を要求するようになって。私の"仕事"は日に日に大金が絡んできているし。

なまえに関しては、最近は夜も帰らない事もある。一体何をさせられているのだろう。その際は是光殿が居てくれているが、話を聞けばなかなか忙しい日々。
それでもなまえは出来る限り側にいてくれて、私の悩みを少しでも和らげようと色々な物を土産にして持ってきてくれる。

「...私は、心配なのです...」

手元には、懐刀。
鞘の柄はなかなかの装飾がされている。先日お土産と称して渡されたそれは、自分には不似合いなもの。
渡してきた本人も、自分に渡すにはまだ不満があったのか、渡す時の顔がなんとも言えない仏頂面で。あの時の顔が可愛らしかったなんて伝えたら彼女は怒るだろうか。

...それにしても今日は美しい月夜である。
この暗闇に朧げにも透き通る光を放つそれは、彼女...なまえそのものだ。

「なまえ......」

貴方はいつか、遠くへ行ってしまいそう..ー

ひとり、懐刀を抱きしめた

「ー思いつめた憂い顔が、これ程月夜にはえるとはな...」
「っな……何奴？！くせもの……！」

突如聞こえた声。
急な気配に咄嗟の判断で、刀身を振り向き際に突き出せば、何故かそれが届く前に背中が畳にくっついていた。
顎を掴まれ、身動きが出来ないまま押し倒された状態だ。