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それは遡ること数日前、ぬらりひょんがまだ珱姫の屋敷を訪れる前の事。
場所は、花開院家

「急に呼び出してもうてごめんな、なまえちゃん」
『秀元の“急に”はいつもの事だからな』
「なんや、それなら何故そんな変な顔しとんの?」
『もちろん、呼ばれた理由に気付いてるからだけどなに?』

質問を質問で返してやれば、秀元は「流石なまえちゃん!」と拍手してくる。
そのまま、ハイこれ。と普通に渡してくるものだから、思わず目を大きくした。

『しかし、こういうのって物凄く時間が掛るって、聞いてたんだが…案外早かったな。もっとこう、長期間の…』
「それはもう、僕が天才やから?」
『は?』

ニコニコと言ってのけやがって。
せっかく遠まわしに褒めたように言ったのに、台無しだ。
まあ彼がその所謂天才なのは認めていた。実際今渡されたこの退魔刀。コレをこんなにも早く出来上がらせるとは。素人でもわかるし、初めて自分と出会った時も、この人の纏う雰囲気で“違う”と思ったのだ。

「ちゃんとなまえちゃんに言われた通りのも入っとるで〜」

相変わらずもこんな呑気にしゃべってはいるが、これでも花開院の当主なのだから笑えない。

『…乗る気がしない分、それくらいは備えとかないといけないだろ』
「そんなにあの子に刀を持たせたくないん?」
『もちろんさ。よーちゃんは…珱は、私が守るって決めたんだ。もうあの子は、闇を抱えてしまっているから…』

もうこれ以上の事は、十分だと思うんだ。

そう漏らして、退魔刀を抜く。まだ新しいその刃の切っ先は、真新しい輝きを放っていた。

「(なまえちゃんも、十分色々背負ってると思うんやけどなぁ…。)」
『秀元』
「ん?」
『名前、付けたんだろ?』
「もちろん、ちゃんとした在銘刀やで〜」

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作者名:ばっちゃん | 作成日時:2018年1月27日 23時

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