兄妹関係1【レイ】(菫の花) ページ9
【著作：菫の花】
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柔らかく吹く風が辺りの草木を揺らす。
きゃーっと甲高い子供達の叫び声を耳にして、俺は本のページをめくった。
多分、アイツはもうすぐ来る…
｢レー！レーイ！レイくーん！｣
定まらない呼び名で俺の名前を呼びながら走ってきたアイツは
黒く長い髪を揺らしこちらへと真っ直ぐに足をむける。
太陽に反射したその黒い髪が不覚にも綺麗だ、と思ってしまう。
｢まーた本読んでる！よく飽きないよね〜
たまにはレイもみんなと一緒に鬼ごっこしよーよ！｣
腰に両手を当て呆れ気味に声を上げるアイツは俺の腕を引っ張ったり、俺に抱きついたりとして何時も鬼ごっこに誘ってくる。
それが鬱陶しくも、少し嬉しくも感じる俺はどうかと思うんだが…
｢疲れるからしねぇよ。｣ ｢えぇ〜やろうよ！｣
耳元でワーワーと騒ぐアイツがAが愛おしくてたまらない。
そう、お前は俺だけを見て…俺の側にだけいればいいんだ。
独占欲が俺の心の中を埋め尽くす。
あぁ、本当はこんな思いを抱いていい相手じゃないのに…
コイツが俺の思い通りに動くのが悪い。
｢A〜！｣ ｢あ、エマ!!｣
突然もう1つの声が増えた…エマだ。
Aと仲がいいから何時も一緒に行動している。
ぱっと俺の腕から手を離したAはすぐにエマの元へ駆け寄っていく。
はっ、相手が女なのにな…嫉妬してバカバカしい。
少しの苛立ちと強い独占欲が湧き出し、俺の心を真っ黒に染めていく。
まぁでも、これでいいんだ。
こんな想いもすぐになくなるはず…いや、なくならなきゃなんねぇ。
じゃないと…酷く後悔することになる。
気付けば勝手に動いていた体。
本を地面に落としても俺は構わずエマとAの元へ近寄った。
突然近付いてきた俺にアイツとエマは驚いて目を見張る。
｢来い。｣
でも、今の俺にはそんなの関係なかった…ガシッと強くAの腕を掴むとなりふり構わずずんずん、アイツの腕を引きながら森の奥へと入っていく。
後ろからのAの慌てた様な声に気付かないふりをして奥へ奥へ…
｢…………イ！……レイ！ちょっと、レイ!!｣
大きな声が森中に響き渡り、俺はようやく我に返る。
どうしたの、大丈夫？と俺の顔を覗き込んでくるAの黒い瞳と目が合う。
何で、俺の事を心配してんだよ…
何故か酷く込み上げてくる怒りに手を強く強く、握り締めた。
兄弟関係2【レイ】(菫の花)→←触れたい2【ノーマン】(ぬん)
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ドラゴン - 神作品の作者さんだらけじゃないですか！全部すごく面白くて‥‥更新頑張ってください！ (2019年3月3日 9時) (
レス) id: cddb962df9 (このIDを非表示/違反報告)
おうとつ - 作者さん豪華すぎません！？なんと言うか、私得の方々ばかりで…！！見ててすっごく楽しいです！！ぬんさんの触れたいってやつ設定から何まで素晴らしいと思いました！それに相沢恋さんのは夢主ちゃんが可愛くって面白くって！菫の花さんの話もすっごく癒されました！ (2019年2月27日 13時) (レス) id: 19c8a82e34 (このIDを非表示/違反報告)
はにかみ - 作者欄が豪華……!ワタ愛完結おめでとでーす！相沢さんの名前を見て速攻来たww応援してます！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: a2358f35c9 (このIDを非表示/違反報告)
あやあや - ワタ愛終わってしまったので、悲しい気持ちと嬉しい気持ちがごちゃごちゃになりながら見ました！！…本当に面白かったです…。ぬんさんの小説も、シリアスで面白かったです！良いですね、こう言う番外編！ (2019年2月26日 18時) (レス) id: 34be4b000a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬん、菫の花、相沢恋 x他3人 | 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2019年2月26日 18時
