129.後輩の惚気話 -よじゃ- ページ32
ユニはそれからずっと楽しそうに、照れる私をからかっていたけれど、そのうち合間にほいほいとリョウクとの惚気けを放り込み始めた。
結局ユニも、恋人の話を何の躊躇いも無く話せるのは私ぐらいで、聞いてもらいたいんだなって分かってはいるけれど、私のお悩み相談はいつの間にか大半はリョウクの話に変わっていた。
酔いも回って、もう止まらなくなった惚気けトークにウキウキと頬を緩ませる後輩を眺めながら、幸せな気持ちが伝染してくる。
ユニ「オンニのおかげですよー、覚えてます?オンニが何かあったら私が守る!って言ってくれたんですよ〜、大好きオンニ〜♪」
腕を絡ませながら甘えるように体重を預けてきたユニは、そのまま告白してもらった時のリョウクがいかにカッコ良かったかを熱弁し始めて、照れたようにその掴んだ腕をバシバシと叩く。
「分かったから、叩かないで」
怒ったり、笑ったり、拗ねたり、照れたり。
ころころと表情の変わるユニは、今まで見てきたどんな彼女より、幸せに満たされているようで。
リョウクがいてくれて、彼女をリョウクが支えてくれて、本当に良かったと。
あの時彼女の背中を押した自分が間違ってなかったと、安堵をくれる。
ごめんなさい、と謝りながら、叩いていた場所を撫でていたユニは、体重を預けたまま少しだけ眠そうな声を出す。
ユニ「オンニ〜」
「なーに?」
ユニ「…私、リョウクさんが、とっても好きなんです〜」
「知ってるよ」
ユニ「付き合い始めてから、彼にいつもいっぱい助けてもらって、相談もたくさんのってもらって、私、前よりずっと頑張れるようになりました」
「そうだね、いつも頼りにしてるよ」
ユニ「…オンニ、私、変わったんです。リョウクさんと付き合う前と後じゃ、全然違うんです。リョウクさんがすごく好きで、すごく大事で、絶対手放したくないって思うから、だから彼に認められるように、周りにも認めてもらえるように、頑張ろうって、たくさんたくさん頑張ろうって、そう思えるんです」
ユニの真っ直ぐな想いが胸を打つ。
今だって十分頑張ってくれていると思う。
それでももっと頑張りたいと、そう思える存在は、きっとユニをもっと強くしてくれる。
ユニ「好きな人が側にいてくれたら、それだけで強くなれるんですよ、オンニ…」
言葉の最後は、消え入るようで、見ればユニがまたぐずぐずと泣いていた。
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舞桜(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事が嬉しいです。これからも書き続けてください。 (2015年11月29日 13時) (レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - 全然気づかず…恐ろしくお返事が遅くなりまして申し訳ありません!!(土下座)いたわりのお言葉ありがとうございます!今回の連載はいい思い出になりました♪共同執筆はなかなか難しいですが、気分はいつも2人で一つ、でこれからも頑張ります♪ありがとうございます! (2014年11月29日 23時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - あかねさん» こんにちは、ありがとうございます♪完結まで・・待ちたい・・(汗)すみません〜、私のせいでずいぶんお待たせしましたね(><)呆れず読みに来てくださって本当にありがとうございます!最近は企画する時間もなくて・・申し訳ない(汗)当面、自分の連載がんばりますww (2014年6月22日 9時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - お二人の単独作品も大好きですが、新たな企画ものをこっそり期待しています。いつも素敵な作品をありがとうございます(^^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 連載お疲れさまでした!お二人のチームプレイは抜群ですね。私は完結まで待って一気読みしたいタイプなので最終章は目次を見ながらワクワクしていました。改めて、もう一度最初から熟読して楽しみます~(^.^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/
作成日時:2013年2月26日 23時