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108.かわいい秘密(DH) -ちづ- ページ11

(DH)


ぽろり、こぼれた涙を見て。
反射的に抱きしめた。


きっとAは今、すごく複雑な気持ちのはずで。
僕もそれは、よくわかるから。


DH「…ヌナ、」


言葉をかけようと思うけど。
Aは驚いたように力を入れて僕の胸を押す。


「すみません、…こんな、」

DH「大丈夫だよ。」

言いかけた言葉を遮って。
まだ離さないで少し、抱きしめる。


DH「僕があとでユニに怒られてあげるから。今は少し、こうしていて。」


「…。」


ふ、と力が抜けて。
少しだけ、僕の方に身を寄せる。


DH「…これはセクハラじゃなくて愛の抱擁だもん。」


少しして、

小さい声で言い訳すると、
くすくす、笑った声がして。


「さすがみんなの彼氏ですね(笑)」


顔を上げたAの瞳にはもう、
涙はなかった。


「ドンヘさん、ありがとうございます。」


小さく微笑んで。

僕の腕の中からするりと抜けだしたAを、
そのぬくもりを、
まだ離したくないけれど。


でも、ここには止めてくれるユニもヒョクもいないから。
Aが困るといけないから、そっと手を離した。








…Aヌナ。

好きなんだ。

ヌナのこと、本当に僕が守っていきたいって、思ってる。





そう、心の中で話しかけるんだけど。


言葉にして、
やっと笑ったAが困った顔をしたらどうしよう。


それが怖くて、
ぐっと、飲み込んだ。

今日は余計なこと、言わずに。
お父さんへの思いだけでいっぱいにしてあげたい。






帰りの車内で、Aが僕にこう言った。



「今日ちょっと、叫んだり泣いちゃったりしたことは、
秘密にしてくださいね?」


イタズラっぽく。
笑顔で。


DH「…あはっ!(笑)。二人だけの秘密だ♪」


「んー…そうですね、恥ずかしいので内緒にしてくださいね(笑)」


DH「うん。内緒にしておくね。」



僕だけが知るヌナの秘密は、
この前ひとつ、減ったけど。

今日また、温かくてかわいい秘密ができた。


減ることを喜ぶべき秘密と、
増えることを喜ぶべき秘密があって。


僕には温かくて、かわいいほうが残った。



DH「…♪」


うれしいな。





その日の仕事はいつも以上に調子が良くて。

もっとほろ苦い気分になるかと思っていた出張ロケは、
僕の中で、ちょっぴりうれしい記憶になった。

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舞桜(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事が嬉しいです。これからも書き続けてください。 (2015年11月29日 13時) (レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - 全然気づかず…恐ろしくお返事が遅くなりまして申し訳ありません!!(土下座)いたわりのお言葉ありがとうございます!今回の連載はいい思い出になりました♪共同執筆はなかなか難しいですが、気分はいつも2人で一つ、でこれからも頑張ります♪ありがとうございます! (2014年11月29日 23時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - あかねさん» こんにちは、ありがとうございます♪完結まで・・待ちたい・・(汗)すみません〜、私のせいでずいぶんお待たせしましたね(><)呆れず読みに来てくださって本当にありがとうございます!最近は企画する時間もなくて・・申し訳ない(汗)当面、自分の連載がんばりますww (2014年6月22日 9時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - お二人の単独作品も大好きですが、新たな企画ものをこっそり期待しています。いつも素敵な作品をありがとうございます(^^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 連載お疲れさまでした!お二人のチームプレイは抜群ですね。私は完結まで待って一気読みしたいタイプなので最終章は目次を見ながらワクワクしていました。改めて、もう一度最初から熟読して楽しみます~(^.^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/  
作成日時:2013年2月26日 23時

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