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一話 ページ2

ここは産屋敷。時刻は暖かな日の差す昼すぎ。

丁度柱を集めた柱合会議なのだが、一人だけ柱が足りていない。

そのせいか穏やかな日差しとは違い、少しだけぴりぴりとした雰囲気が屋敷に広がっている。


『やぁやぁ、何を皆さんそうぴりぴりしているのかな?』


一般の人であれば、声さえも発したくないその場に一人の少女が声をあげた。

顔を隠すかのように頭に、フードのように巻かれた黒い布。

その隙間から覗く日に当たるだけで美しく輝くような白髪。

伸ばされた前髪に隠された長い睫毛と浅葱色の煌めく瞳。


彼女こそが、海柱 海瑛Aである。



「遅い」


いつもの如く木の上に乗った男、蛇柱 伊黒小芭内に指を刺された。

此方に向けて指を差す伊黒に少女は「人に指をさしてはダメだよ」と言葉を発する。

そのせいで伊黒は更に顔を歪めて少女に向けて言葉を放つ。


「お前は毎回毎回柱合会議に遅れてやってくる。
本当に柱としての自覚があるのか?」


少女を睨みつける者は伊黒だけではなく。

風柱、不死川実弥や音柱、宇髄天元などにも少し辛く睨まれている。

表情などはよくわからないが恐らく炎柱の煉獄杏寿朗や、

岩柱の悲鳴嶼行冥にも睨まれてはいるんだろう。多分。


『おや、可笑しいな。僕は確か柱になる際、申したはずですよ?お忘れですか?』


かくんっと首を傾げて変わらない明るく弾んだ声で少女は言葉を返す。

その言葉に伊黒は不満げに目を歪めた。

あの言葉がある限り、彼女に対して"柱のとやかく"というのは意味がない。


『でもまぁ、遅れたことは謝りましょう。少し回復に手間取っただけですが』


とんとんと優しく胸元を叩きながら、口元は弧を描く。

これもまた、柱の中ではよくあること。言葉を交わすほどのものではない。


「お館様がお見えです」


その言葉と共に、柱一同が地に膝をつけた。

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八雲(プロフ) - とても続きが気になります!!更新楽しみに待ってますね! (2019年5月27日 21時) (レス) id: ee1ccd9f95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とりまろ。 | 作成日時:2019年5月5日 14時

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