13-26 ページ27
すると右隣に座る留三郎くんが私の足元に視線を送り何かを見ていた。何だろうと思い自分の足元を見ると同時に再度留三郎くんが口を開く。
留三郎『何だ蛙か』
「ゔみゃあ!!!!」
文次郎『っ、!?』
自分でも驚くくらいの奇声と共に左隣に居た文次郎くんに思いっきり抱き着いてしまった。しかしそれどころではない。私の視界に入って来たのは紛れもないあの緑色の物体だ。
私の奇声を聞いてみんなも驚いているのが気配で分かる。でも顔を上げられない。文次郎くんの腕をこれでもかと抱き締め体を縮める。
逃げなきゃいけないけど怖くて動けない…動いたら最後飛び付いてきそうだもん!!
伊作『も、もしかして…』
長次『Aの苦手なものとは…』
小平太『蛙か?』
蛙『ゲコ』
「んみ"ゃあぁああああ!!!!」
小平太が蛙を手のひらに乗せて私の目の前に差し出してくる。その瞬間ゾワワッと鳥肌が立ち第二の奇声を放った。
留三郎『ぐ、ふっ…(みゃあって猫かよ…)』
文次郎『ふっ…ん"ん"(どんな叫び声をあげとるんだ…)』
仙蔵『ぶふっ…(可愛い…)』
「こへっ…やめっ、それ…あっちに…!」
みんなが私の奇声を聞いて笑いを堪えているなんてつゆ知らず、私は蛙をどこかへやってくれと言いたいがなかなか上手く口が回らない。パニックで視界がグルグルし始めた時、長次くんが蛙を取り上げると離れたところに逃がしてくれた。
「も、もういない…?」
伊作『今のところは居なさそうだよ。それにしても…Aさんは蛙が苦手だったんだね』
「う…うん…」
いつかはバレるとか思ってたけどこんなに早くバレるとは思わなかった…午前中の作業中も蛙の存在を認識してはいたけど遠くに居たから大丈夫だったのに…足元にいるのは反則だよ!!
仙蔵『それより、A。そろそろ離れないと文次郎が倒れるぞ』
「え…あ、ご、ごごごごめん!!」
仙蔵くんの言葉に文次郎くんに抱き着いているこの状況を把握出来た私はハッと我に返り慌てて離れる。ちらりと文次郎くんの顔に目を向けると、彼は頬を赤く染め口元を手で覆っていた。
嫌だったよね、汗びっしょりの奴から抱き着かれて…。
文次郎『あ、いや…大丈夫だ(む、胸の感触が…)』
留三郎『おい、何考えてんだよこの変態野郎』
文次郎『だ、誰が変態野郎だ!!』
79人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雅 - 喜八郎君、何か変な妄想していたように見えますけど…まさか…😅 (2022年8月22日 9時) (レス) id: a9b76d2ca4 (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 出てくる度にてっんっし!てっんっし!って言っていたら友人に真面目に五月蝿いって怒られたのを覚えてます(遠い目)ありがとうございます!おかげさまで続編に行けました!何だかんだ毎日更新出来ているのであっという間でした(笑)これからもよろしくお願いします! (2022年8月22日 7時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» 天使ですよね!! 色んな所で救ってるのが女神 後関係ないんですけど続編おめでとうございます!! 性格も優しそうでふんわりしてるし!! 友達になりたいwww (2022年8月21日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» そう!めっちゃくちゃ美人なんです!!最初出てきた時、は?!何この天使!!って思いました(´˘`*)あの掴みどころのない性格がすんごいそそります…ハリーポッターの登場人物は基本的にハリー救ってくれますよねぇ! (2022年8月21日 8時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» ルーナちゃん 可愛いですよね!! 美人だし!! ルーナちゃんって色んな言葉でハリーを救ってるしね(分からんけどwww) (2022年8月20日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りっか | 作成日時:2022年7月30日 19時