NARUTO短～中編集 (ページ2)

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『火影様、夕方以降のスケジュールですが』

忍界大戦のあとカカシ先生が再び火影に就任し、わたしは秘書を務めるようになった。
一通り報告をし、ご苦労さんと返される。

ナルトたちは先生のことを火影様と呼ばずいつも通りカカシ先生だ。
でもわたしは立ち位置てきに火影様と呼ばなくてはいけない。

先生との距離を感じてしまっているのが、今1番の悩みだ。

「A最近疲れてんじゃないの？」

火影椅子からいつもの調子で首を傾げながら心配する先生。

『…いえ、そんなことは！』

「仕事ちょっと減らそうか、Aらしくないから心配だよ」

『大丈夫です。むしろ他にもお手伝いさせていただけることがあればおっしゃってください』

仕事を減らされることはあってはならないのだ。
なぜならせっかく好きな人の近くで働けるのに、これ以上隔りを生みたくないから。

「そう？じゃあ次の仕事頼むよ。また何かあったら呼ぶから」

『かしこまりました』

お辞儀をして火影室から出ようとする。

……。

(あれ？開かない)

「扉、押すじゃなくて、引くだよ」

『え？ああ…そうでした』

どうやら今1番の悩みごとは相当きてるようだった。
よし、もう一度今度は引いけば開くはず。
ガチッ…

(ん？開かない？)

頭の上には扉を押さえて開けさせまいとする手。

「君ほんとにA？あやしいな、いつも出入りしてるでしょ」

振り向けばカカシ先生が見下ろしていた。
訝しげに迫る。扉に挟まれ逃げ場のないわたしは肩をすくめてしまう。

カカシ先生はS気たっぷりにわたしを眺めたあと「どうやら本物っぽいな」と言って手を退かした。

『ど…どういうことですか？』

「反応だよ」

『！』

いったい自分がどんな反応をしていたのか。その時は混乱でいっぱいで思い出せないが、今のは明らかにからかわれたことくらいわかる。
いじわるな先生だ。

「やっぱ疲れてるな。今日はもう返って休め」

でも。と言うと、半ば強制ぎみに念を押され、お先に失礼しますと言って部屋をあとにした。