シーザー・A・ツェペリ ページ15
朝早く、まだ幼い赤ん坊を抱いて。
ある場所へと向かった。
まだ雪が残っていて、ドレスの裾は水分を含んで重たくなっていた。
貴「シーザー」
小声で目の前の墓石に話しかける。
貴「今日は、貴方が旅立って…この子が産まれた日。ちょうど1年の日…」
花束を地面において耳をすませたが
何も聞こえない
貴「嘘つき…ちゃんと帰ってくるって言ったのに。元気な子、産んでくれって。お守りだって…指輪置いて行ったのに」
握り締めていた結婚指輪をポケットにしまった
貴「シーザー、帰ってきて…」
私は赤ん坊を地面に置いて、座り込んだ
雪の冷たさなんて少しも感じなかった。
「お嬢さん、赤ん坊が泣いてるぜ?こんなとこにおいちゃあ凍死しちまう。」
ふと後ろを見るとエリザベスさんともう1人、男性が立っていた
貴「少し、1人にさせて下さい」
「もちろんそのつもりだぜ。俺はジョセフ・ジョースターところで…貴方は?」
どうやらシーザーからは何も聞いてないようだ
貴「シーザーの妻です…この子はシーザーと私の子供です。」
リ「赤ん坊は私が抱きましょう。ジョジョ、行きますよ」
2人は少し驚いたようだったがすぐ空気を読んで去って行った。
貴「エリザベスさんの事は良く耳にしてたけど、もう1人の方は初めて見た…貴方の友人ね?そんな気がする。」
貴「私、子供の育て方なんか分からない。貴方がどんな風に旅立って行ったのかも、貴方の遺体がどこにあるのかも。何も知らないの、ただ、匿名で手紙が届いただけ。
シ…ザー…」
私は声を上げて泣きながら墓石に抱きついた
貴「お願い!お願いだから!もう一回私を…っ、抱き締めて…、シーザー!」
シーザーの服や写真を見るといつも家の外に立って、帰りを待ってしまう。
シーザーの香りを思い出して時折シャボン玉を吹いて。でもそのシャボン玉が壊れるたびにわざと傷ついてる。
ジ「そこまでにしな。シーザーは愛した嫁の泣き顔なんかぜってー好きじゃあねぇ。ほら、見ろ」
顔をあげた先にはシャボン玉が飛んでいた
ずっと眺めてても割れる気配がしない
ジ「シーザーはここにはいねぇよ、あいつは天国にいるからな。その代わり、いつでもお前さんの声は届いてる、こんなところで泣き叫んだらシーザー耳が痛くてどっか行っちまうぜ」
貴「シャボン玉…」
『俺の子供、立派に育ててくれよ!愛してるぜ、A!』
微な幻聴さえも、今は心地よい。終
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ナツキ(プロフ) - 独立さん» 花京院です(´・ω・`)間違えてたらすいません! (2014年10月10日 23時) (レス) id: 0bee88945b (このIDを非表示/違反報告)
独立(プロフ) - 花涼院かっこいい!とてもいい!!ちなみに花京院?花涼院?w (2014年10月4日 15時) (レス) id: 7a0b141737 (このIDを非表示/違反報告)
山りな(´・ω・`)ウリィ(プロフ) - シーザーで泣けてきた……。 (2014年8月8日 15時) (レス) id: bca43c4730 (このIDを非表示/違反報告)
香我美奏汰(プロフ) - 主人公ちゃん14歳150cmッッッ!可愛いです!年齢彼氏ごまかすのもとても!!ジョセフの僕ちゃんは本当にいいですね! (2014年7月20日 23時) (レス) id: 357174c267 (このIDを非表示/違反報告)
ナツキ(プロフ) - 香我美奏汰さん» コメントありがとうございますっ!更新加速して行きますね! (2014年6月30日 7時) (レス) id: 1e1dc47e0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜月@弱虫 | 作成日時:2014年6月22日 21時