怒涛の隠れんぼ ページ10
茜色の空を上に、自室に戻る道のり。
別に何かをやりに行くわけでもなく、只何となく、長屋に行けば誰か居るだろうという軽い気持ちを持って。
さっきまで仙蔵に手裏剣の打ち方を復習として教わっていたのだ。でも伝七が宿題を教えてもらいたいと来たので、｢手裏剣はいつでも教われるから！｣と仙蔵を譲ってきた。
『夕食は一緒に食べようだなんて、仙蔵も可愛いこと言うな』
仙蔵だけじゃなく夕食はほぼみんなで食べている。
初めの頃は下級生たちが珍しいものを見るような目で見ていたけれど、今は慣れたものだ。
上級生にもなれば授業も外での実習が増え、他の組と食事の時間が重なることなんて少ないが、無理矢理一緒にしている感じがある。
『先にお風呂入っちゃおっかな』
『ん゛』
空に伸びをした瞬間突然浮遊感を感じ、身体が物凄い速さで前に進む。
足は地面から浮いてしまっているし、何がどうなったのか反応が遅れた。
小｢いけいけどんどーんっ！！！｣
『い、いきなり何するの小平太ぁっ！？』
伸びをして腕が上にあり、私の腹部に隙があったのを良いことに、私を脇に抱えた小平太の笑い声が響く。
小｢お前がぼんやりと歩いていたものだから！｣
『だからってなんで…！』
小｢実は今、体育委員会でかくれんぼをしていてな！金吾が鬼なのだが何処に隠れようか迷っていたのだ！｣
隠れ場所を探すのに、だからといって私をこんな風にする理由はない。
『か、かくれんぼ？楽しそうなことしてるね。でももう夕食の時間になるよ？』
小｢細かいことは気にするなっ！あ、そうだ！Aも参加しろ！｣
『あ、そうだ！って、そのつもりで抱えてるんじゃないの？』
小｢バレたか！中々やるなぁ！ははははっ！｣
『それ以外思いつかないから…』
楽しそうに辺りを見回しながら、走る小平太。目的地があるかも分からず、この揺れを全身に受けるばかり。
抵抗せずにされるがままで居た。
『どうしたの？』
砂嵐を起こし、何か気付いたようで足を急停止した。
小｢此処に隠れよう！｣
『え、此処に？』
と、私を降ろしたのは煙硝蔵の前。火薬委員会の活動の場だ。
『隠れる所なんてあるかな？それに勝手に入って怒られない？火薬があるし…』
小｢平気だろう！｣
そういえば私、かくれんぼに参加する事承諾してないのにな。
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雅 - ふたばさんが描いたイラスト、華やかさがあって可愛いらしいなぁーっと思って😅(笑) (2022年8月6日 23時) (
レス) @page22 id: 977bcdf555 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 作成していた映画での小説、お疲れ様です🤗🫧✨ (2022年8月6日 22時) (レス) @page22 id: 977bcdf555 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピーナッツ | 作成日時：2022年7月22日 7時
