【BLEACH】異界に舞う桜

9.いやほぼ全部事実だけど ページ10

その日の夜。皆に軽い自己紹介をした後、夕食を食べていた時にだった。


「そうそう桜月サン。明日から君、空座一高に通ってもらいますヨ」

「へ？」

「手続きとかはもう既にしましたから、制服は後で部屋に置いときますよ」


マジか。ていうかいつの間に……用意が早いというか何というか……うん。


「あ……有難う。まさかそこまでしてくれるとは思わなかった」

「ま、学生の本分は勉強ですからねー」

「………………………………ああ、そうだね」

「何スかその長い間は」

「まさかお前、勉強できねーのか？」


ジン太の言葉に私は固まり、長い沈黙に包まれる。


「…………、……正直ね? 日本人は国語と社会だけで十分だと思うんだよ。グローバル化なんか知らん」

(あ、出来ないんスね……)

(そして文系まっしぐらですか……)

(国語と社会は出来るのか……)

(英語も壊滅的……？)


この微妙な空気のまま、その日の夜は終わりを告げた。ていうかおい、( )の中めっちゃバレバレだぞ。いやほぼ全部事実だけど。



＊



翌朝、早めに起床し雑用を一通り済ませた後、空座一高の制服にさっさと着替える。台所に行けば、鉄裁が朝食の準備をしていた。


「おはよー鉄裁」

「おはようございます、A殿。申し訳ありませんが、ジン太殿とウルル殿と店長を起こしに行ってくれませんか？」

「おー、了解」



＊



皆を一通り起こすと、既に朝食の準備は終わっていた。うん、ホント美味い。私なんかのよりもずっとうめぇよ。

なんて事考えてると、雨が少し遠慮がちに話し掛けてきた。


「あの、Aさん……そろそろ時間じゃ……？」

「え、あっ！ そうだ！ 有難う雨！」

「A殿、昼食を忘れてはいけませんぞ！」


鉄裁が包まれた弁当箱を上に掲げた事で、昼食の存在を思い出す。私は鉄裁にお礼を言ってそれを鞄の中にしまうと、「行ってきまーす」と言って浦原商店を出た。



＊



つー訳で徒歩10分位で着きました、空座第一高！ 一護達と同じクラスになれたらいいなと思う。切実に。

取りあえず職員室の場所を誰かに聞こうとキョロキョロすると、遠くから織姫が此方に向かって歩いてきた。よし、織姫に聞こう。

10.担任が越智先生＝一護達と同じクラス→←8.……何か、ごめん

• 金　運: ★☆☆☆☆
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