【BLEACH】異界に舞う桜

22.……御愁傷様、啓吾。 ページ23

「さてと、以上かなあ連絡事項は。ま、夏休みだから宿題なんて現国以外テキトーにやんな! 遊びも少しくらい犯罪気味のほうが後々いい思い出になるよ！」

(((…教師の言う台詞か…！？)))

「そいじゃあんた達、9月まで死ぬなよっ！
以上！ 解散っ！！」



＊



「桜月、ちょっといいか？」

「ん？ どうした？」


一護が神妙な顔つきで話掛けてきて、ルキアの事かと直ぐに察した。そして、口を開こうとした正にその時だった。


「いーちごーッ」


突然啓吾が一護に背後から目隠しをして、ぐるぐると何回か回す。……御愁傷様、啓吾。


「さあっ！ 西瓜どーこだ？」



ドガッ…




案の定こうなった。ていうか一護、私も人の事言えないけど男子とは言え、どんだけ力あるんだよ? 今の音、普通に木の棒で殴った音じゃないよ……


「いやああああああ！ ちっ…違う一護！ 違うぞっ! 『浅野割り』じゃなくて『西瓜割り』！ 『西瓜割り』でござい！！」

「あ、浅野割りっ……！！｣


【浅野割り】に思わず噴き出してしまい、当然だが啓吾に「何笑ってんのォ！？」と言われた。


「……で、何やってるわけ？」


私が訊くと、啓吾は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせ、呆然とする周りをよそに話し始める。


「西瓜、ビーチパラソル、サンオイル、浮き輪、ビーチボール、サーフボード、そして(以下略)」


「悪ィ。俺、用事あるからパスな」

「何ィあ！！？」

「イヤ…済まん。でも無理なもんは無理だ」



「ごめん…あたしもちょっと…」

「私も色々と忙しいから無理だわ、ごめん」

「井上さんと桜月さんまで！？」

「あたしもインハイあるから無理ー」

「織姫とたつきも行かないならあたしもちょっと…」

「…俺も…今回は遠慮しとく…」


私を含むその場全員が断る中、啓吾が涙目で水色を見る。当の本人は最後の希望を無慈悲に断ち切るかの如く、水中ゴーグルを付けてトドメの言葉を放つ。


「あ。僕、明日からプーケット」


しかしそれは啓吾にとっては逆鱗に触れた様なもので、水色にブチギレしたのであった……

23.お前それが本音だろ→←21.心の中で密かに同情した

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