【BLEACH】異界に舞う桜

15.混乱しているなぁ(他人事) ページ16

「全く……君がよく怪我をする理由って、大半がこういった出来事じゃないのかい？」

「お、分かっちゃった？ 実は6割方がそうなんだよねー。因みに残りの4割は習い事とか部活で」


手当てが終わり、呆れながら言う雨竜に軽い調子で答える。それがいけなかったのか、突然雨竜が殴られた方の頬を摘まむ。


「え」

「何が『分かっちゃった？』だ。そもそもあの時僕が通りかからなかったら一体どうしてたんだ？」

「むぎゃああぁぁあッ痛い痛い痛い痛い痛い痛いやめてええぇぇぇえ！！！」



そしてそのまま本気でつねってきて、一瞬にして頬に激痛が走った。逃れようと暴れる程痛みは増し、次第にはそのせいか涙で視界が滲む始末だ。

え、ちょっと何！？ 何で！？ 何でこんなに怒ってるのかなぁ！？ もしかしてさっきの返事がいけなかったからか！！？ 別に怒る所無いよね！？


「っホント、に……やめ、ろ！！！」

「いッ！？」


仕返しと言わんばかり……いや、実際仕返しとして、私は雨竜の腕を掴んでる手に力を込める。

雨竜が痛みに怯んで、手を離したと同時に私も離す。つねられた頬を抑えて睨む私に対して、雨竜は信じられない様な表情で私を見る。


「なっ……何だ今の……」

「え？ 私が持てる力半分くらい」


しれっと言うと、雨竜は更に絶句した。顎外れるよ。


「っはは！ 驚いた？ 驚いただろ？ 小さい頃から私、並の人より力があるんだよね。まぁ鍛えてたからってのも一応あるけど」

「いや、それでも……って、今ので半ぶ…！？ え！？ は！？」


混乱しているなぁ(他人事)


「その気になればお姫様抱っこも余裕で出来るよ。確かめ「いやいい！！」即答どころか遮られた」


地味にショックを受けていると、雨竜は自分の鞄を肩に提げる。それに私も慌てて鞄を手に取り、保健室を後にした。



＊



「じゃあねー」

「え？」

「え？」


……え？

特に何も話す事も無く、無言のまま学校を出たところで私は雨竜に軽く手を振りながらああ言ったら、たった今の出来事が起きた。


「いや、何言ってるんだ。送っていくよ」

「え。や、別にいいって」

「でもまた何かあるか判らないだろ？」

「心配性だなぁ。本当に大丈夫だよ、いざって時には正当防衛を成り「送 っ て い く よ」……ﾜｶﾘﾏｼﾀｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ」


……思ったけど雨竜ってさ、大分黒い部分あるよね。

16.軽いノリのつもりだったのに辛辣だ酷い！！→←14.何か、こう………………精神的にね、うん

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