第二十話. ページ21
私、川端Aが未だ五つの頃、母と交えた何気の無い会話
其れなのにも関わらず鮮明に記憶に残されて居るあの言葉
“Aの異能は迚、綺麗で素敵なものだよ”
神様からの贈物なのだから、決して恨む必要は無い。と
父も同様、誰よりも格好良いと云って呉れて居た
当時は、そうなのか。と鵜呑みにしており、特に何の感情も見い出せずに居た
決して自身の異能を恨んで等は無かった
あの日迄は……
『二人共、今日もお仕事?』
「うん。ごめんね、寂しい思いをさせちゃって…」
そう云い乍目を伏せる母
其の様な顔をさせたかった訳では無いので即座に大丈夫だと、寂しく無いと伝える
何故なら此れ程にも愛されていると知って居るから
「じゃあ…行って来ます。」
そう云って両親はわたしを確りと抱き締めて離さない
其処に生まれた包み込む様な暖かな愛に、私の心にもあかりが灯る
『………うん、行ってらっしゃい!』
そう云えば、悲哀の漂う瞳をぐっと細め笑い、背を向ける
そんな顔はして欲しく無い
私の異能は強いと二人は云った。其れならば其の“お仕事”は…
私にも手伝う事は可能な筈_____
此、私の安易な思考が後の不幸を
『内緒で…仕事場に行く、そうすれば何か手伝える……!』
そう決心した私は、齢五と云う幼いが故の小さな躰を思い切り前へ進めた
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凜(プロフ) - 伊月さん» コメントありがとうございます!物語の構成は創る以前に練った部分もあるのでお気付きになって貰えて嬉しいばかりです……!深夜帯の方が泣ける可能性何故か高いですよね、笑今度も精進して参ります!本当にありがとうございます! (2021年10月21日 21時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊月 - 物凄くよかったです!文体がめちゃくちゃ私好みな上、物語の構成がもう涙しか誘わない...泣けなかったけどもw 深夜に読んでこっそり泣こうかな。表現とかもすごく綺麗で、とても参考になりました。漢字沢山使ってて文ストっぽくて好きです!活動応援してますね! (2021年10月18日 12時) (レス) @page50 id: db73aa45c7 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます!神作だなんて私には勿体ない程ありがたいお言葉を頂いてしまって……、、文才ももう褒めてもらえて幸せでいっぱいです!私もそのように優しい主様に出会えて良かったです!ありがとうございます…! (2021年10月6日 0時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - いや、真面目に泣きました。神作過ぎます、、、、、こんなの見れて今日は私の命日なのかな?感動しましたし、作者さまの文才が凄いですね!こんな神作、もう出会えないかも知れない。出会えて良かった、、、、、 (2021年10月4日 23時) (レス) @page49 id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!そのような嬉しいお言葉をいただけて私も幸せですし泣きそうです…、感動できる作品創りを心掛けて居るので良かったです…!本当にありがとうございます! (2021年9月23日 20時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凜 | 作成日時:2021年5月28日 21時