Happy Everyday 2nd.

ナリ襲来by良太 ページ10

Aちゃんの格好が想像をかき立てて、顔がどんどん暑うなってきた！
こがいな姿を見られとうないし、冷静になりたいついでに、キッチンへ避難。

良「コーヒーでええか？」
「はい…」

猫舌のAちゃんにゃあ悪いが、ホットコーヒーしかない。
少しでも冷めるように温めとらんマグカップにコーヒーを淹れて、Aちゃんの前に置いた。

「あのー、昨日は…」

Aちゃんは、しょぼーんとしとる。
正直、こりゃこれで可愛い。

良「家には着いたんだが、全然起きなくてな…」
「はぁぁぁ…」

Aちゃんが、大きな溜息を吐いた。

「今になって、上本さんの気持ちがよー分かりました…」

あぁ、《うえぽん事件》もそうだっけ。
あの時は羨ましいっ思うとったが、今のわしも結局は一緒か。

「ホンマ、すいません」
良「わしの方こそ。服とか用意できんくて」
「貸していただけるだけで、もう充分です。ありがたき幸せでございます…」

手を合わせて、頭を下げて、急に田舎のおばあさん風になった。
面白うて、つい笑うてしまう。

良「気にすんな。朝ご飯･･･」


――ピンポーン――


突然、インターホンが鳴った。

「お客さんですか？」

お客っていうか…嫌な予感がする。
インターホンの画面を見ると、案の定のヤツが映っとった。

良「何や？」
今『良太さーん、お届け物でーす』

ハイテンションのナリが、荷物を見せびらかす。
ココで断ったらあとで騒ぐし、管理人に言われるか分からんし…確実にややこしいことになる。
とにかく、早う追い払うか。

良「Aちゃんはココにいて」
「はい」

不思議な顔をするAちゃんを置いて、わしゃ玄関に立つ。
もう1回、インターホンが鳴ったと同時に、ドアを開けた。


――ごんっ――


今「いたっ！何すか、良太さん！」

ちょうどよう、ナリにぶつかったんじゃげな。
おでこを抑えて喚いとる。

良「あぁ、すまん。…で？」

頼むけぇ、早う帰ってくれ。

今「はい、コレ！」

突きつけられた袋を確認すると、そこにゃあ朝ご飯メニューっぽいのがあった。
しかも、妙に数が多い。

良「何や、こ…」
今「お邪魔しまーす！」

目を離した隙にナリが上がり込んで、リビングに直行する。

良「あ、ちょ…！」
今「Aちゃーん、おはよー♪」

追いかけても、もう遅い。

「今成さん！おはようございます♪」

わしが入った時にゃあ、Aちゃんがナリと挨拶のハグをしとった。
…あーあ、せっかくの幸せな朝が台無しだ。

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