Happy Everyday 2nd.

嬉しいに決まっとるby良太 ページ9

スマホの目覚ましで、いつもの時間に起きた。
ソファをベッド、寝袋を布団代わりにしたが、疲れは取れとらん。
今度のソファは、ベッドにもなるヤツにしよ。
カーテンを開けとったら、雲ひとつない青空が出てきた。
今日もええ気分で…言いたいところだが、寝不足で身体はガチガチ。
ストレッチだけじゃ物足りんけぇ、トレーナーに施術頼むか。



Aちゃんが起きる前に用事を終わらせて…。

「……」

――っ思うとった矢先、寝室のドアの隙間から覗くAちゃんと眼が合うた。
指一本入るか入らんかの狭い隙間に、片眼だけが浮かんどる。

良「心霊現象になっとる」
「……」

ほいで、無言。

良「怖いけぇやめてくれ」


――ばたん――


ドアを開けに行こうと動けば、音を立てて閉められてしまう。

良「何で？」
「見ないでください！顔が、顔が…！」

あぁ、メイクんコトか。
そがいななぁ、女の子やなぁ。

良「シャワー、浴び」
「え…？」
良「一応、用意はしとる。案内するわ」
「…顔は見ないでくださいね！」

気になるのを我慢しつつ、風呂場に案内。

良「服はココに置いとる」
「はい…」

手で眼を隠して、背中をAちゃんに向けとるという万全な防御体制で、この第一関門を突破した。



◆◇◆



この間におさめをして、着替えて、新聞を取って…といつも通りにしとったら、スマホが鳴った。
朝から珍しすぎるし、この相手がまた、珍しい。

今『良太さん、おはよー！』
「…どうした？」

しかも、タイミングが悪い。
何で今日、この時間？
あとで会うんじゃけぇ、その時でええやろ。

良「手短にしてくれ。忙しい」
今『分かってますって。あの、今日の事なんですけどねー…』


「新井さん。お風呂、ありが…」


そがいな時、透き通ったAちゃんの声が聞こえてきた。

今『えぇ？！ちょ、今…』

わしを見てすぐに口を閉じたが、電話の向こうは聞こえた声に対して、喚き散らしとる。

「じゃあな」
今『いや…！』

はい、強制終了。
ナリに時間を掛ける余裕はない。
スマホを置いてAちゃんを見たが、どこが見ちゃあいけんもんなんか？
別におかしいトコないやろ。

良「おはよう」
「お、おはようございます。お風呂、ありがとうございました」
良「気にすんな。まぁ、座ってくれ」

わしの服を着とるせいで、上下ともにぶかぶか。
下なんて、片手で掴んで止めとる状態。
これが上だけなら、ぶちサービスショット…。
あかん、想像したけぇ鼻血出そう。

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