16、あとひとつ(ことりside) ページ17
今までのどの試合よりも声を張って、もはや声が枯れているんじゃないかというくらい応援してきたこの試合も。
気づけば、あとアウト一つのところまできました。
｢あと一つだね、ことりちゃん･･･！｣
前に座る穂乃果ちゃんが、落ち着かない様子で私の方を向いてきます。
落ち着かない気持ちもよくわかるけど･･･。
｢うん、あと一つで･･･甲子園だね｣
私も、余裕のない返事しかできませんでした。
だって、あと一つで優勝なのですから。
小さい頃からA君が目指していた甲子園。
去年まではそこに行くどころか勝つことすらままならなかったのに、今はこうして決勝戦まで残って。
一年でここまでチームを強く出来たのは、A君の頑張りがとても大きいと思います。
だからこそ、その努力が報われて欲しい。
ひたすら前だけをみて頑張ってきたA君に、勝って欲しい。
そう、強く願いました。
両手を胸の前で組んで、私はまた前を向きます。
A君はマウンドの上で、依然厳しい表情のままでした。
さっき、頑張れって言ったのは伝わったかな･･･。
ううん、きっと伝わったはず。
A君の投球に力が戻っていたのがわかったから。
そして、そのままいけば最後の打者が打席に入りました。
必死なのは相手も同じで、向こうのスタンドも一生懸命応援しています。
A君はキャッチャーの指示に軽く頷くと、振りかぶってボールを投じました。
初球、打者がバットを振る。
金属バットの鈍い音がしました。
当たりはボテボテの内野ゴロ。
サードが前に出て、しっかりとボールを捕ります。
その瞬間、私だけじゃなくこっちのスタンドの全員が勝ったと確信しました。
後はファーストに投げるだけ。
そして、ボールを持ったサードがファーストへとボールを投じました。
しかし。
そのボールはファーストのミットに収まることはなく、遥か頭の上を越えていきました。
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涼(プロフ) - ありがとうございます(*´∇｀*) タマネギさん今年受験なのですね！頑張ってください(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年11月1日 21時) (
レス) id: 9c94599d58 (このIDを非表示/違反報告)
タマネギ(プロフ) - お疲れ様でした！受験勉強の合間のお供にさせていただいております！これからも頑張ってください！ (2015年11月1日 20時) (レス) id: 68a522fcef (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 八雲 翔平さん» ありがとうございます！ 次回の作品も面白くできるように頑張ります(≧ω≦) (2015年10月27日 23時) (レス) id: 9c94599d58 (このIDを非表示/違反報告)
八雲 翔平 - 完結お疲れ様です。この小説も良かったです！次の作品も自分のペースでいいので頑張ってください。 (2015年10月27日 22時) (レス) id: af4101d5e4 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - ギャオさん» お久しぶりです、ギャオさん！ そうですね･･･、気づけば最初の作品を書いてからもう半年以上が経っていたんですね･･･。ギャオさんにはその時からお世話になっています、本当にありがとうございます (2015年10月25日 17時) (レス) id: 9c94599d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2015年8月14日 19時
