鰓昆布 ページ7
ア｢マートル、君はあそこにいたね。湖に。あの場所に君のことが書いてあった｣
マー｢私、どこにでも行ったわ。具体的にどこを考えているの？｣
ア｢第二の課題_______湖の課題だ。25年前のセドリックとハリー｣
Aはアルバスがマートルと話す間、辺りが気になって少し見回した。
Aが読んだ本には秘密の部屋の入口がこの辺りにあったと書いてあるような気がする。
スコーピウスに聞けば彼はベラベラと噛まず止まらず話し出すだろうな、とAは関係の無いことを少し考えた。
ア｢秘密を守らないといけないけど｣
マー｢秘密は大好きよ。だーれにも言わないわ｣
アルバスが頷いて合図すると、Aがタイムターナーを取り出す。
｢やっぱりキープしておいて正解だったみたいね｣
ア｢僕たち、時間の旅が出来るんだ。君はパイプの旅を助ける。そしてセドリック・ディゴリーを救うんだ。それにもう時間がない｣
マートルはにやっと笑う。
マー｢この洗面台よ。この下のパイプの出口が湖なの。飛び込みなさいよ。そしたらパイプは真っ直ぐ湖に続くわ｣
マートルの言葉を聞いてAとアルバスはさっさとマントを脱ぐ。
スコーピウスも真似をする。
アルバスが二人に袋に入った緑色の植物を渡す。
｢鰓昆布？｣
ス｢僕たちギリウィードを使うのか？水中で息をするのに？｣
ア｢父さんと同じやり方だ。もう時間が無い。行こう｣
｢忘れないでよ、制約は5分だってこと。今度こそ_______とんでもないことにならないようにね｣
Aは口に鰓昆布を放り込んで食べる。
ス｢完全に大丈夫だと言ってくれ｣
アルバスはにやりと笑う。
ア｢完全に大丈夫だ。準備はいいか？｣
アルバスも鰓昆布を食べる。
｢さあ、行くわよ！｣
Aは一番最初に洗面台の中に姿を消していく。
ス｢僕のガールフレンドはとんでもなく頼もしい時がある、怖いもの知らずなのか｣
ア｢Aはいつだってそうだよ｣
ス｢まだ行くなよ、アルバス_______アルバス｣
スコーピウスが顔を上げるとマートルと2人きりだ。
マー｢私、勇敢な男の子が好きだわ｣
スコーピウスは少しの勇気と少しの恐怖を感じながらも洗面台を覗き込む。
ス｢さあ、僕は完全に準備が出来てる、何でも来いだ｣
鰓昆布を食べてスコーピウスは洗面台の中に姿を消す。
巨大な閃光が走り、何かが砕けるような音がする。
3人の姿はもうない。
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作者名：ななや | 作成日時：2022年9月29日 19時
