番外編【3】#29 ページ41
エルヴィンside
自業自得だ。
これは、自分の行いのツケが周ってきたのだろう。
今まで人類を救う為にやってきたが、私は何百人もの命を犠牲にしてきた。
そう簡単に幸せになれるはずはない。
神様は見ている。やはり、これが私の運命なのだろう。
リヴァイと私の秘書のために、貴族の令嬢と関係をもつ話が、まさか愛するマリアの耳まで届いていてしまったとは。
そうなると、もうリヴァイにも黙っておくことは出来ない。
私はリヴァイにザックレー総統と約束した事を話した。マリアにもその話が届いてしまったことも。
リヴァイは静かに私の話を聞いていた。
ひと通り話を聞き終わると、彼はまぶたを閉じ、ゆっくりため息をついた。
「お前は、それに応じるのか?」
「ああ。」
「貴族の令嬢と寝るのか?俺達のために。」
アッシュグレーの瞳が俺を射抜いた。
「ああ。」
リヴァイ、お前にはなるべくこの事は伏せておきたかったんだ。
「すまない......。」
人類最強の男がそんな顔して謝らないでくれ。
「お前が謝るな、お前のせいじゃない。悪いのは俺だ。」
リヴァイの肩を叩くと、私は部屋を出て行った。
「エルヴィン」と呼ばれた気がしたが、返事をできないままバタンと乾いたドアの音だけがそこに響いた。
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作者名:ナツメグ | 作成日時:2017年5月22日 21時