番外編【3】#24 ページ36
エルヴィンside
その条件はあまりにも私の心を締め付けるものだった。
「......それはどういうことですか。」
ザックレー総統が机の引き出しから一枚の貴族女性のお見合い写真がでてきた。
「君には多大な信頼を置いている。目的を遂げるためどんなに犠牲がでようとも君はやり遂げる男だ。」
私はお見合い写真を受け取った。
女性は綺麗なドレスにたくさんのアクセサリーを身にまとっている。
「私にこの彼女と結婚しろと?」
「いいや、結婚しろとは言わん。二人の相性もあるだろうからな。」
ザックレー総統はメガネを外して椅子にもたれかかった。
「単刀直入に言う。彼女と夜を共にするお見合いをすることが今回の条件だ。」
「......。」
「君がずっと貴族の女性達からお見合い話を断っていたのは知っている。
貴族の考えは私には分からん。権力と快楽に酔い、常に刺激をもとめている。」
「......もし断れば?」
「断れば先ほどの壁外調査の許可は無しだ。」
マリアと出会う前であれば、リヴァイのためにこの貴族の女性と寝るのは簡単だっただろう。
だが今私にはマリアがいる。なぜ今なのか、悔まれる。
しかし断れば私の秘書が人さらいにあい、リヴァイが私の二の舞になるだろう。
「分かりました。その条件お受けします。」
「そうか、礼を言う。」
総統は静かに言った。
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作者名:ナツメグ | 作成日時:2017年5月22日 21時