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番外編【3】#16 ページ28

マリアside


私が目を覚ますと見慣れない天井が見えた。


あれ、ここは?


確か私は憲兵団の男の人に追っかけられて逃げこんだ部屋で気を失ったんだっけ......。


「目は覚めたかい?」


驚いて声がした方を向くと、そこには金髪の綺麗なブルーの目をした整った顔立ちの男の人がベッドの側に座っていた。


「エ、エルヴィンさん......なんで?」


「倒れている君をたまたま見つけてね。ここは憲兵団本部の医務室だよ。」


信じられない。


憲兵団本部の奥へ迷い込んだ部屋から助けてくれたのはエルヴィンさんだった。


「大丈夫か?マリアを見つけた時、君は顔面蒼白だったぞ。なぜあの部屋にいたんだ?」


「っ!そうだ!それがですね......」


「失礼致します、エルヴィン団長!」


憲兵団の服を着た男が声をかけた。


え!?エルヴィン......団長??


「ナイル師団長より、頼まれた書類をお預かりしました!」


「ご苦労だった。」


エルヴィンさんは憲兵団の男から書類を受け取ると書類に目を通した。


「ナイルに総本部へは私が行くと伝えておいてくれ。書類は私が出しておく。」


「はっ!」


憲兵団の男は敬礼し、医務室から出て行った。


まさか、まさか......


「エルヴィンさん......調査兵団の団長ってエルヴィンさんだったんですか!?」


「あぁ、そうだ。隠すつもりはなかったんだが......黙っていて悪かった。」


私はしばらく固まったあと、カーッと全身が赤くなるのが分かった。


「きゃぁ!」と叫んで思わず体にかけていた布団を顔まで全部覆った。


「もう!なんでもっと早く言わないんですか!私、エルヴィンさんが団長さんだと知らずに随分失礼なこと言っちゃいましt......。」


エルヴィンさんは私の顔をジッと見つめて優しく手をとった。その手は大きく柔らかい手をしていた。


その透き通るような青い瞳に私は吸い込まれていくようだった。どうしよう、なぜか目が離せない。


「黙っていたのは悪かった。変に君に気を遣わせたくなかったんだ。」


そう言って私の髪に手を触れた。


「倒れた君を見た時、本当にどうしようかと思った。君が何でもなくて本当に良かったよ。」


優しく微笑む彼を見て、心臓がうるさいほどドクン、ドクンと鳴っている。


顔が熱い......。


「ありがとう......ございます。」


エルヴィンさんは私の頭を優しく撫でてくれた。


私は恥ずかしくてしばらくエルヴィンさんの顔を見ることができなかった。

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作者名:ナツメグ | 作成日時:2017年5月22日 21時

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