ばったり ページ24
キンコンカンコンと、ホームルーム開始10分前の予鈴がなる。
部室から3年の教室は前にも言った通り近いので、ゆっくりと歩幅を進める。
3組に近づいてくると、1組側から大きな人影が2つ。
私が気づく前に、そのうちの一人が、ぱーっとこちらに向かってきた。
「あーっ!!!Aちゃん!だよネ!」
その後に続いてきたのは、牛島くんだった。朝練が終わったのだろう。
えっと、私の名前なんで知ってるんだろう…
でも私はこの人の名前は知ってる。
「天童覚くん…だよね」
「アレー?俺の名前知っててくれてるのー?嬉しいネ!!!」
「天童、廊下で騒ぐな」
「ハーイ」
後ろから牛島くんの冷静な声。
「牛島くん!さっきはありがとう。下描き完成したんだよ!」
私がそう言うと、牛島くんは少し顔を綻ばせた…かもしれない。
「そうか、早いな。あとから俺にも見せて欲しい」
「うん…!時間空いてたら、教えてね」
「ああ」
「あれー?俺のこと忘れてない?二人の世界入ってるネー?周り見てみなヨ〜?」
ハッとなって周りを見ると、3年の色んな人達がこちらをじっと見ていた。
いわゆる注目の的だ。
それもそうだ。バレーボール部のメイン2人と、影のような私が話していれば注目されてしまうに決まっている。
ザワザワと、話し声が聞こえる。
ーー牛島くんと…誰?ーー
ーー天童くんとも話してるじゃん!ーー
ーー一体どんな関係…??ーー
や、やばいかもしれない……
「あれ?Aと天童と牛島じゃん!おはよー!どうしたの?」
救世主が来た。
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作者名:矢風 | 作成日時:2019年9月30日 22時