鷲と兎【牛島若利】 (ページ23)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:115,034 hit

大きな翼ページ23

AM8時15分、戻って美術部室。

ある程度下描きは完成した。自分で言うのもあれなのだが、描きたいものが頭の中にはっきりある時、集中力が切れることはなく10分程度で下描きは出来上がってしまう。
まあそれでも、普通の人から見ればなんだこれ？？っていう下描きなのだが。

「で、できたあ…！！！」

白いキャンパスには殴り描きのように見えるが、私の中ではしっかりとイメージは固まっている。

真ん中にはメインの牛島くん、そして背中には大きな翼。
私がさっき見たサーブは、本当に牛島くんに翼が生えているように見えたから。
これは今まで１の出来だ。

「今にも動き出しそう…自分で言うの恥ずかしいけど……」

そのキャンパスを見ていると、今にも牛島くんが飛び出してきそうな…

「よし、あとは放課後に進めよう！今日中に使う色も決めておかなきゃ……」

もうホームルームが始まる時間も迫ってきているので、片付けをする。

「今日はちょっと牛島くんを授業中に観察しよう…」

やはりもっと深みのある絵を出すためには、被写体をしっかりと観察せねば！

そう思って私は美術部室から教室へ向かった。