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side 神山
神「あかん、スマホ忘れた」
まぁ、わざとなんやけど。
重「おい流星何やってんねん(笑)」
神「流星ちゃうわ(笑)」
取ってくるから先車乗っといてとしげに鍵を渡して、降りたばかりのエレベーターに戻る。
望「Aに連絡しとくなー」
神「ありがと!」
Aの部屋のインターフォンを押すとすぐにガチャっと開いた。
そこにはもちろんAがいて、手には俺のスマホ。
「神ちゃんが忘れ物って珍しいね」
神「おん、わざとやもん(笑)」
スマホを受け取り正直にそう言ったらびっくりした顔でこちらを見る。
神「手、だして」
不思議な顔して差し出してきた手に乗せたのは今日作ったばかりのレジンのピアス。
スクエア型で俺の指輪と同じ小さな歯車が1つ埋まっとる。
Aと一緒に選んだ、元々は1つの時計動かすのに必要だった歯車。
「え、これ私にくれるの?」
神「おん、つけて欲しいねん」
Aが手のひらに置かれたピアスを難しい顔して見つめる。
俺がどういう気持ちで渡してるからわかって、傷つけんと断るにはどうしようかってきっと考えてんねんな。
神「Aのこと、好きやで」
「...」
神「やけど、同じくらい美和さんの事もメンバーの事も好きやから」
「...私もだよ」
神「これからもずっと皆で頑張ってこうな」
「うん」
顔をあげたAと目が合ったら優しく笑ってくれた。
神「やから、これは俺のわがままやねん。
これから先Aに恋人できたら外してくれてええから。
他の男の手作りなんて気分良くないやろし(笑)
...それまででええから、使ってくれへん?」
「...実は完成したの見てすごいかわいいなって思ってたんだ。
本当にすてきな色だよね、さすが神ちゃん!」
ピアスをつけながらそう言うて、どう?と見せてくる。
神「めっちゃ似合っとる」
「ありがとう」
耳に手を当てて顔を寄せてピアスをじぃっと見ても、視界の隅に見えるAの頬はもう赤くならへん。
神「もう照れてくれへんのか(笑)」
「着実に免疫つけてきてるから(笑)」
かわいくな!って言うて笑い合う。
ほんまもう充分やわ。
神「ほんじゃ、2人待たしてるから行くわ」
「ん、気をつけてね」
急ぎ足でエレベーターに戻って、目頭が熱くなるのをぐっと堪える。
男やし。もう大人やし。
こういう気持ちになったんが久しぶりすぎて。
楽しかったなぁ、ほんまに。
望「スマホあった?」
神「あった!帰るでー」
車に乗り込んでアクセルを踏む。
おし、24歳もっとええ男になったんで!
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作者名:のら | 作成日時:2019年6月12日 1時