五十九松目 ｢弱くたっていいんだ｣ ページ18
おそ松side
「A...」
「僕見てく「俺が行く。」.....え...？」
大粒の涙を流しているAが再度目に浮かんだ。
Aは思ったよりも抱えているものが大きいかもしれないと。
「チョロ松。お前はカラ松達のこと見といて。」
俺はそう言い残してキッチンから出た。
＊
外に出ると、夜だからか夏だって言うのにやけに涼しい風が頬に霞む。
きょろきょろと見渡しAの姿を探すと、階段の近くの方で膝に顔を埋めて座っているのが見えた。
「A。」
『...おそ松....？』
顔を見ると目に涙を溜めながらこちらの様子をうかがうA。
「なんつー顔してんの。」
可愛い顔が台無しじゃん。なんて思いつつ、俺は袖で目元の涙を拭いてやった。
『ねぇおそ松』
「ん？」
『本当の自分って何なのか...わからないんだ』
一瞬、質問の意味がわからなかったけどなんとなく今のAの状況が把握できたような気がした。
『男装して強がってる自分か、普通の短気な女子高生の自分か....
なぁおそ松、どっちを選んだ方が正解なのかな....？』
「....難しい質問だな...
...でも一つ言えるのは、それは俺が決めるんじゃなくてAが決めるべきだってことかな」
『...』
「人の人生なんて他人が決めていいもんじゃない。自分の人生は自分で決めなくちゃならない。後悔先に立たずって言うし...
...それに、その難問の答えを今すぐ答える必要もないんじゃねーの？ほら、だってまだ十六の高校生だぜ？今答えが出ないんなら、これからその答えを探していけばいいんだ。」
...って、なに俺自信満々に話してんだ。
反応がなかったので恐る恐る顔をうかがうと、俺の目に飛び込んできたのはふわっとやさしい笑顔を浮かべたAの素顔だった。
あっけにとられ思わず見とれてしまう。
『....ははっ、おそ松らしい考えだな....おそ松？』
口をぽかーんと開けてAの顔を見つめていた俺に、不思議そうな顔をするA。
「！？わ、わりぃ...」
見たことがない可愛い表情のAに見とれてました。なんて口が裂けても言えるはずがなく、俺はサッと正面を向いた。
『でもありがとう。....おそ松の言うとおりこれから少しずつ答え、探していくことにするよ。」
月明かりに照らされたAの表情はさっきとはまるで違う、なにか一歩進んだような、そんな表情だった。
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春の黒猫(プロフ) - なめこ豆腐味噌汁さん» コメントありがとうございます＾＾応援してくださって作者は感謝感激です！これからもよろしくお願いしますね＾＾ (2018年3月18日 2時) (
レス) id: 94c170d235 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ豆腐味噌汁(プロフ) - 更新待ってました(´∀`)この作品ほんと好きです!!!!!!!!!愛してます!!!!!!!!!なので更新頑張って下さい!!!!!!!!!ほんとに!!!!!!!!!応援してます!!!!!!!!! (2018年3月4日 15時) (レス) id: c4290caa64 (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 和蘭芹さん» コメントありがとうございます！長い間更新できていなくてすみません...ただ今作成中ですので少々お待ち下さいませ！ (2018年3月3日 15時) (レス) id: 94c170d235 (このIDを非表示/違反報告)
和蘭芹 - めっっっちゃ良いところで切られたので雄叫びあげました(てか何ですかコレ…！文才アリアリのアリですよ！！更新ずっっと待ってます！！応援してますううううん”ん”ん”ん” (2018年2月22日 23時) (レス) id: 0bd5b50639 (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - なめこ豆腐味噌汁さん» コメントありがとうございます(^^) まさか更新をずっと待ってくださっていた方がいるとは…泣 更新もぼちぼち頑張ります( ´ ▽ ` )ﾉ (2018年1月15日 0時) (レス) id: cc81ffe234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりゅりゅ | 作成日時：2016年6月5日 1時
