おかあさんではありません！4【歌.い.手】

不機嫌な彼女 ページ33

思えば朝から最悪だった。

アラームをかけ忘れ寝坊してしまいあの4人にいじられるし、打ち合わせにいけば厄介な御局様に掴まりグチグチ言われるし、車はエンストするし、会食という名の接待ではセクハラオヤジに胸やらお尻やら触られるし、おまけに事務仕事が溜まり最近ろくに睡眠も取っていない。

さらに言えば生理前で体調と気持ちは急降下。

「.......はぁ」
「ため息つくと幸せ逃げるぞ」

からかうように言ってきたうらたさんを睨むと「おー怖」と大袈裟に肩を竦めて通り過ぎて行った。
4人を家に送り、リビングの電気を付けるとごちゃごちゃに散らかっていた。
いつもなら朝、支度を待っている間に片付けるのだが今日は遅刻したためできなかった。
あぁ、今日は何もしないでこのまま帰りたい。
けれどこれを放置したら明日にはもっと酷いことになっている。

重い体を引きずり床に放置された洗濯物を拾い上げる。

「あ、Aこれもよろしく」
「これもー」

志麻さんの一言をきっかけに次々と飛んでくる洗濯物。
キャッチなんて出来るわけもなく、バサバサと頭から被った。

「お前キャッチしろよ。どんくせぇ」
「1個も取れてないやん」
「あはあは、A埋まっとる！」
「あ、ごめんやけど汗かいたばっかのやつ投げてしもた」

普段なら怒りつつも流せたはずなのに。
今日はどうにも無理だった。




(.....もう、やだ)

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