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「安室さんって…言うんですか?」
「え?」
「あ、いや、さっきの女の子が言ってたから、名前…」
声の主は彼女だった
「そうですけど…」
そう返すと焦った顔をする彼女
それもそうか、急に名前を呼んでしまった上に俺のこの返事だ
不審者と思われてる、などと思っているんだろう
「お騒がせしてしまってすみませんでした。貴方が昔の知り合いに似ていたもので」
そう言うと少しホッとした顔の彼女
「あのっ!私もそう思ったんです!高校生のときの知り合いに似てるなあって。」
覚えていてくれた、その事実に
とても言葉では言い表わせないような気持ちになった
「わたしの名前、降谷Aって言うんです。もし宜しかったら名前、教えてもらってもいいですか?」
やはり彼女だった
17年間どこに行っても会えなかった彼女が目の前にいる
だけど、
「安室透です。米花町にある喫茶店ポアロでアルバイトをしながら探偵をしています。」
「喫茶店ポアロ…、今度行ってみますね」
「はい、是非いらしてみてください。それでは、また。」
本当のことなんか言えるわけなく、偽りの自分の姿を伝えた
少し胸が痛んだが、これでいいんだ
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まこと(プロフ) - みかんさん» 少しですが、更新させていただきましたので時間があれば読んでみてください(^_^)評価ありがとうございます。 (2017年1月4日 10時) (レス) id: 5559bc45c8 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - このお話とっても良かったので評価をつけさせて頂きました!これからも頑張ってください!応援しています! (2017年1月2日 11時) (レス) id: 73725d1be9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこと | 作成日時:2016年12月20日 21時