ホグワーツへ行きたい 二 ページ8
意気消沈している二人を見た土御門は、複雑そうな顔をした。
兄弟同然に育ち、今や己の半身も同然となった男と、その娘が悩んでいる。なんとかしてやりたい、其の一心だった。
「……昔、短期留学して揃って主席と次席を取った俺とA。そんで、俺以外の三大名家の当主である芦屋と勘解由小路にも協力してもらって、計四名の推薦……てことにすれば、飛び入りで入学を許可してくれるかもしれない。あくまでも可能性の話だけどね」
『どうする？』と目線で問われ、Aは迷わず「お願いします！」と応えた。
嬉しさのあまり父にも飛びついてしまった。
結果として、ひと月後にはホグワーツからの入学許可証が届いたのだ。
＊
「てことで、私ホグワーツに行くことになったから」
そう言いながら入寮したての寮の部屋の私物を片付けていくAを呆然と見ていた友人二人は、数秒後にはいつもの勢いで話し始めた。
「ホグワーツ！？ マジで言ってんの！？ 十一歳になって念願の寮生活が始まって、折角一緒の寮に入れたのに？」
「寮だけじゃなくて、部屋も折角同じになれたのに……」
どこか悲しそうな二人に、Aは罪悪感を覚えた。
なんの心置きもなく成り代わり生活がしたいからホグワーツに行く事にした、なんて口が裂けても言えないが、おそらく二人は気づいている。
暫く気まずげな雰囲気が流れたが「まぁ、Aが決めたことだし」と、やがて二人はAの荷造りを手伝い始めた。
＊
「長期休暇とかに、たまには顔見せてくださいね」
「いつか絶対ホグワーツに遊びに行ってやる」
「来ないでほしい、切実に」
会いに来られたら絶対いつものノリで話してしまって、これからホグワーツで築き上げるであろうマキマの成り代わりとしての印象が崩れ落ちそうだ。
その未来を想像してげんなりしたが、笑っている二人を見つめて、Aは笑顔を浮かべた。
お別れの挨拶をして、Aはマホウトコロから立ち去った。ホグワーツ入学の、ちょうど一週間ほど前のことだった。
英国の文化や暮らしに慣れる為、当初予定していたよりも早めに出国することにしたのだ。
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息抜き(プロフ) - 真昼さん» コメント有難う御座います！ 良いですよねぇ、ハリポタとチェンソーマン。 (2023年1月12日 22時) (
レス) id: aff75be4a1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 好きな物語がクロスオーバーされていて、嬉しかったです！ (2023年1月12日 17時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：息抜き | 作成日時：2022年12月17日 17時
